夏合宿

 
 

明日香様より素敵な頂き物♪


夏合宿


 本日、絶好のサッカー日和。
 恒例の全日本ユース合宿も天候に恵まれ順調に進んでいたけれど、今日は折り返し日。
 午前中は軽く汗を流しただけで、午後からは休息を兼ねてのオフとなり、自主練に励むヤツ、部屋でのんびり過ごすヤツ、街へ繰り出すヤツ…それぞれのようだけど、俺は頼んであったシューズを取りに行くべく自転車を押した。

 今回の合宿はありがたい事に地元で行われたから俺は自転車持参でやってきた。コレが結構役に立つんだよな。
 夜の買い出しとか押し付けられたりもするけど、気晴らしにもなるし。

 さて…と、ついでにCDショップにも寄って来ようか?なんて考えながら自転車を漕ぎ出そうとした時、
「お〜い、ちょっと待て〜〜」
 聞き慣れた良く通る声が後ろから聞こえてきた。
 この声…ナニ?もしかして俺を呼んでる?
「まっ…松山さん!」
 振り返ると松山さんが手を振りながら走って来る。
「良かった〜間に合った。新田、今から出掛けるんだろ?俺も一緒に行っていいか?」
 マジ?マジっすか〜〜?
 松山さんが俺と〜〜?
「何?ダメか?」
 あまりに突然の出来事に固まってしまった俺の顔をヒョイッと覗き込む松山さん。
俺はブンブンと首を振ることしか出来なくて…あ〜顔から火が出そうだ。
「そっか。良かった。」
極上の笑顔。
あ〜〜〜俺、その笑顔好き〜〜
「新田ってさ、地元じゃん。ちょっと行きたいトコあってさ。案内して欲しいんだ。…新田?」
松山さんの笑顔に見惚れてた俺。松山さんの呼びかけで我に帰った。
「あっ…ハイ!良いですよ!どこにでも案内しますよ、俺!」
「よし!頼りにしてるからな〜」
そう言って頭をぐしゃぐしゃ撫でてくる。
ちょっと乱暴だけど、こういう時、年下で良かった〜って思う。だって松山さんに頭撫でてもらえる人間ってそういないぜ?

「それじゃ、行きましょうか。後ろ、乗ります?」
努めて平静を装って、後ろを勧める。
後ろと言っても席はないけど。立って乗るタイプのヤツなんだ。俺のは。
「おっ、良いのか?…って、コレ、どうやって乗るんだ?」
ウソでしょ〜イマドキ知らないなんて〜;;天然過ぎます〜〜松山さん〜〜
でも、そういうところもやっぱ、松山さんらしいや。
「…なんだよ。悪かったな、知らなくてよ。いいよ、歩いていくから。」
「うわ〜〜すいません〜松山さん〜〜悪気はなかったんですよ〜〜」
思わず吹き出してしまった俺。しまった…
ちょっとむくれて歩き出した松山さんを慌てて追いかける。
もう、もうっ松山さんってば、かわいすぎる〜〜

「で、いいですか?ここにこう足を掛けて…じゃ、俺乗りますからしっかりつかまってて下さいよ?」
ちょっと優越感に浸りつつ、松山さんに乗り方を教えたりして。
「うわっ…こえぇ〜〜〜っ」
自転車を漕ぎ出した俺の肩を掴む松山さんの手に力が入る。
「でも、気持良いな、コレ。」
あっという間に笑い声が混じる。
後ろ向いて松山さんの顔、見てぇ〜〜〜
「オイ、ちゃんと前向いて運転しろよ〜〜」
そんな俺の気持を察知したのか、松山さんがケラケラ笑いながら俺の頭を掴む。
うわぁ〜〜〜松山さん、それは危ないです〜〜〜

「あ〜気持良かったな〜」
商店街の入り口近くで自転車を降りる。
俺は寿命が縮まりましたよ〜…松山さんてば途中で手を離して大喜びしたり、俺の背中に指で落書きしたり…もうっ…
溜息なんかついちゃったりして。
「ん〜?疲れたか?んじゃ、帰りは俺が運転してやるからな。」
そう言いながら知らないハズの商店街を物色し出す松山さん。
そうじゃないんだけど〜〜

「でさ、新田はどこ行くんだ?」
「あ、ちょっとそこのスポーツショップに頼んでたシューズがあって。松山さんは?」
「なんだぁ新田もか。ちょうど良かった。俺も用事あるの、そこなんだ。」
「そうなんですか?あ、ここです。俺がシューズ頼んであるの。」

自転車を停めてスポーツ用品店に入ると俺はシューズを受け取り、奥の方にいた松山さんの方に行く。
松山さんの用事ってシューズかぁ…
「なんか良いのあります?」
「ん〜もう決まってんだけどさ〜サイズがなぁ…」
「ここ大きいからサイズ揃ってますよ。聞いてみます?」
近くにいた店員を呼び止める。
「これの27cm、あります?」
店員が在庫を調べに行く。
松山さん、俺より足デカイのかぁ…
「良いですね、ソレ。今流行りのモデルですよね〜俺もソレにすれば良かったかなぁ〜」
そうすれば松山さんとお揃いだもんな〜
「そうか?俺はこっちの方が良いと思うんだけどなぁ〜」
と、隣のシューズを手に取る。
へ?じゃ、そっちにすれば…と言いかけた時、店員が在庫を持ってやってきた。
松山さんはサイズを確認すると、そのまま会計を促した。
「履かなくて良いんですか?」
「あ、良いんだ。」
そう言ってレジへと向かう。
もしかして誰かへのプレゼントッ?だれ?ダレ?誰だぁ〜〜〜っ?
もしかしてアイツか〜〜?
…でもそれ以上は何も聞けず、なんとなく機会も逃してしまったような…情けないぞ、俺。

「ありがとな、新田。」
会計を済まして店を出る。
「これからどうする?どっかで休憩でもすっか?買い物付き合ってもらったし、おごるぜ。」
「マジっすか?ラッキー!あ、後で行きたいトコもあるんですけど…」
「いいぜ。夕飯までに帰れば良いからな。」
うわっ…これって棚からボタモチ、瓢箪からコマ、2階から目薬…何か違う気がするけど、とにかく降って湧いた幸運!!
松山さんとデートできるなんて!!

近くにあった喫茶店で喉を潤して、CDショップに本屋…楽しい時間はあっという間に過ぎていってしまう。
あ〜〜〜帰りたくねぇ〜〜〜〜っ!!
でも神様は残酷なもので。
「じゃ、そろそろ帰るか。」
松山さんが時計を見て言う。俺はあえて避けていたのに、そのセリフ。

「帰りは俺、運転な。道案内、頼むぞ。」
自転車に乗ろうとする松山さん。
「ねっ、松山さん、ちょっと歩きません?」
「何だよ〜俺の運転じゃ、危ないってのかぁ〜?」
「ちっ、違いますよ〜ホラ、まだ時間あるし、もう少し町を案内しようかなぁ〜…なんて。」
ちょっと苦しかったかな?…ホントは少しでも長く松山さんといたいんだもん。
「そおか?んじゃ、俺、自転車押すわ。」
松山さんってホント、素直っていうか…人を疑う事知らないんじゃないかって時々思う。
まんまと俺の口車に乗っちゃってさ。

「でもさ、お前イイ自転車、乗ってるよな〜」
俺の自転車を押しながらまじまじと見つめる。
「そうですかぁ?俺はもっとカッコイイヤツが欲しいんですけどね〜」
贅沢なヤツ、と松山さんは笑う。
良いよなぁ、こういうのって。ホント、デートしてるみたいで。

「あ、そういえば知ってます?松山さん。自転車の事、こっちの方ではケッタって言うんですよ〜」
「ケッタァ〜?なんだよそれ。変な方言だな〜やっぱチャリだろ、チャリ!」
「ん〜…方言じゃないと思うんですけど…だって年寄りには通じないし。あと二人乗りの事ニケツとか…」
「2つケツがあるからか?んじゃ3人で乗ったらサンケツとでも言うのかよ?」
「どうかな〜?やってみます?今度。」
俺の話に答えてくれる松山さん。
他愛もない会話が楽しくて、俺は注意力が散漫になっていたのかも知れない。

「危ないっ!!新田っ!!」
俺は松山さんの少し前を松山さんの方を向いて歩いていた。
だから気が付かなかったんだ。左折しようとしてた車がいたなんて。

ガッシャ−ンッ!!ガガッ…
大きな衝撃音。
一瞬何が起こったのか分からなかった。
体に少し痛みは感じる。でも痛いのはお尻だけで…
「松山さんっ!!」
目に映ったのは軽自動車の下敷きになった俺の自転車と、左足を押さえてうずくまってる松山さん。
松山さんは一瞬の判断で自転車ごと俺の前に飛び出して俺をかばったんだ…
「って…大丈夫か?新田。」
駆け寄ると真っ先に俺の事を心配してくれる。
「悪い…自転車…」
そして自転車の事。なんで?

「すいませんっ!大丈夫ですかっ?」
車から降りてきたのは30歳くらいの女の人だった。
「本当にすいませんっ!ど…どうしましょう…大丈夫ですか?警察に…」
気が動転してるのか、早口に捲し立ててはオロオロするばかりで。
「あの、そんな事より、車…渋滞してますけど。」
クラクションが鳴り響く。
「あ…そうですよね…自転車退けないと…」
その人は自転車を引っ張っても抜けないと分かると無謀にも一人で車を持ち上げようとしていた。
仕方ないなぁ、もう。
俺も加勢に行こうとすると、松山さんも立ち上がった。
「松山さんは休んでて下さいよっ」
「いいからっ新田も早く手伝え!」
松山さん、足怪我してるのにィ〜
それでも有無を言わせず協力するところが松山さんらしいけど。

結局渋滞してる車の中から男の人が一人手伝ってくれてようやく自転車が抜けて車も横へ退けられた。
あ〜あ…俺の自転車…

「本当にすいませんでした。あの…自転車はもちろん弁償しますし、怪我もしてますよね?警察に…」
「あ、イイです、警察。面倒臭いし。自転車さえ弁償してもらえれば。」
ようやく少し落ち着いたようで、警察に連絡をするという女の人に、松山さんは断る。
「え…でも…」
「ホントにイイです。警察呼ぶといろいろ面倒でしょ?」
「はぁ…と、とりあえずちょっと待っててもらえます?」
そう言うと携帯片手に離れていった。

「ごめんな、新田。自転車ダメになっちまった。」
「自転車なんか良いですよ〜そんな事より松山さん足!大丈夫ですか?血が出てますよ〜」
さっきは気がつかなかったけど、足首のところに血が出てる。
「あ〜大丈夫だろ?タイヤが足に乗ったけど、動くし、骨は折れてねぇよ。コレは擦っただけだしさ。」
タ…タイヤが足に乗ったぁ〜〜〜?
そんなに呑気に言ってられる事なのか?ソレは…
「ホント、大丈夫だって。怪我はしなれてるからな。新田も怪我、してないか?」
「俺は…松山さんがかばってくれたから…」
「そっか。良かった。でもさ、子供乗ってなくって良かったよな〜」
へ?子供って…
松山さんの視線を追ってみると車の助手席にはチャイルドシートが乗せてあった。
「結構衝撃あったと思うからさ〜」
松山さんてば人の心配ばっかり…でも自分の事にはてんで無頓着なんだよな〜この人は。

しばらく待ってるとダンナさんらしき人がやって来た。
その人は要領が良いと言うか、手際が良いと言うか…謝りながらボックスタイプの車に俺達を乗せ、自転車を積み込んだ。
そしてそのまま病院とサイクルショップに行くと言う。
病院は俺がよく行ってた整形外科に連れていってもらう事にした。
松山さんもそこで良いって言ってくれたし。

松山さんが病院に行ってる間に俺はサイクルショップ。
もう少し松山さんとデートが楽しめる、なんて不謹慎な事を考えていたからバチが当たったのかもしれない。
もう、自転車なんてどうでも良いのに。
それでも使い物にならなくなった自転車に見合う物を選んで良いと言う好意に甘えて相応の物を選ばせてもらう。
そして再び松山さんを迎えに病院へ。

「松山さん、大丈夫でした?」
「ああ、軽自動車のタイヤが乗ったくらいじゃなんともならんってよ。言った通りだろ?」
「良かったです〜〜」
ホント、ホッとした。確かに松山さん、大丈夫そうではあったけど、やっぱ、心配じゃん。

「じゃ、もし何かあったら連絡して下さい。」
携帯番号の書かれたメモを渡され、合宿所の前で下ろしてもらった。
「おっ、イイ自転車じゃん。」
即日で買ってもらった自転車。前の自転車よりかなりイイ。
「松山さんもソレ、弁償してもらったら良かったのに。」
松山さんの手にある形の崩れた箱。
「ああ、これか。別に中身は壊れてねぇし。それに弁償してもらったら意味ねぇしな。」
最後の方は小声で聞き取りにくかったけど。

「あっ帰ってきた!日向さぁ〜ん、松山、帰って来ましたよ〜〜」
時間が時間だったので、そのまま食堂に向かうと入り口付近にいた反町さんが俺達に気付いて声を上げる。
「新田もお帰り。で、大丈夫?もぅ、事故ったって聞いた時はホント、びっくりしたよ〜」
「だから電話で言ったろ?全然大丈夫だって。飯、まだある?もう腹減ってさ〜」
そう言ってバイキング形式に並べられた今夜の夕食を覗きに行く。
適当に見繕って席に着くと、痛いくらいに視線を感じるんですけど…
犯人は分かってます。だって、もう夕飯の時間も終わりだし、食堂にいる人間って殆どいないもん。明らかに松山さんを待ってたであろうあの人…

「松山さん、いつ電話したんです?」
「ん?あ〜病院で待ってる時。結構待たされたからさ、夕飯間に合わねぇと思ってさ。でも良かったな、間に合って。」
松山さん、よっぽどお腹が減ってたんだろうか。
「…で、なんで反町なんだよ?」
うぁ…なんか怒りのオーラが…
「あモ?なんだよ日向。いいじゃん別に誰だってよ。」
松山さんはその声の主の方を向く事無く答えると黙々と食べ続ける。
…松山さん、ソレってケンカ売ってますよ〜
「おっ、新田、ソレうまそうじゃん〜」
そう言って松山さんが俺の皿に手を伸ばそうとした時…
ダン!!とものすごい音が聞こえたと思ったらそのまま食堂を出て行ってしまいましたよ、日向…サン。
横にはひっくり返った椅子。どうやら八当たりされたようで…

「…松山、あの言い方はないだろ?日向さん、心配でずっと待ってたんだぞ。」
「そうそう、腹空かして帰ってくるし、松山の事だからまず絶対食堂に行くだろうって…」
多分、松山さんが帰って来るまでの間付き合わされてたんであろう若島津さんと反町さんが松山さんの隣に来る。
「…頼んだ覚えないもん。」
松山さんにしては珍しく反抗的。その対象はたった一人に対してだけなんだろうけど。
「あ〜〜っ素直じゃないねぇ〜日向さんに電話したら日向さん、心配して飛んで行きかね無いから俺に電話してきたんでしょ?」
「ホントに折角のオフ、お前が急に居なくなっただけでも日向さんの機嫌悪かったのに、トバッチリ食らう俺らの事も考えてくれよな?」
ぶちぶち文句を言う若島津さんだったけど、顔はあんまり怒ってない。
「ま、無事で何よりだ。とりあえず日向さんに一言謝っておけよ?」
「新田もだよ〜今日、松山一人占めしたんだから明日からコワイよ〜大人気ないからな〜日向さんは。」
ケラケラ笑う反町さんと妙に何かを企んでそうな若島津さんは食堂を出て行った。
目の前には溜息をつく松山さんが居て。
「悪い。俺、部屋戻るわ。」
「あ、俺も行きます!」
食堂に一人残されるなんてヤダ。まだ食べ物は残っていたけど、慌てて食器を片付けて松山さんと一緒に食堂を出る。

部屋に帰って一人。同室の早田さんはまたどっかの部屋に遊びに行ってるんだろうか。
俺も風呂にでも行って来るかな。松山さんにも会えるかもしれないし〜なんて、若島津さん達にあんな会話を聞かされてもまだ懲りない俺。

風呂に向かう途中、松山さん達の部屋の前を通る。
あれ?ドアが少し開いてる…松山さん、居るのかな〜と一応ノックしようとした時、中から声が聞こえてきた。少し覗いてみたのが運のツキだったのかも。

「オイ、日向ってばよ〜いつまで怒ってんだよ?」
聞こえてきたのは松山さんの声。返事はない。
呼ばれた相手は松山さんの方も向かず、ベッドの上で雑誌かなんかを読んでるようだった。
ちきしょ〜ムカツクな〜松山さんが謝ってんだぞ?こっち向きやがれってんだ!日向のヤロー!
いつまで経っても返事がないので松山さんは手に持っていた物を日向に投げつけた。
「…痛ぇな!何しやがる!!」
「うるせぇよ!いい加減機嫌直しやがれ!」
今度は松山さんの方が怒っちまった。
「…なんだよ、コレ。」
あっ、あの箱!やっぱり松山さん…
日向のヤツ、中を開けて驚いてるようだけど、機嫌はすっかり直ったようだった。
「お前、前から欲しいって言ってたじゃん。箱はボロボロだけど、中は無事だろ?」
そう言ってベッドの上に腰掛け、日向の隣に座り込む。
「誕生日、おめでとさん。今日だろ?お前の誕生日。」
ちきしょ〜こっちからじゃ見えないけど、松山さん、きっと極上の笑顔してんだろうな〜
「…覚えてたのか?」
「当たり前。でも、プレゼントなんも用意してなかったからな〜丁度休みになったし、お前が前から欲しがってたのを思い出してさ。」
日向が思いっきり溜息をつく。
「なんだよ?」
「内緒で出掛けて、事故までしてきて、挙句に俺には連絡ナシで、めちゃくちゃムカついてたんだけどよ…」
「機嫌直ったか?」
「…だな。でももう内緒で出かけんなよ。事故ったって聞いた時はマジ、心臓止まるかと思った。」
「無事だったから良いじゃん。」
「俺、お前が居なくなったら生きてらんねぇかも。」
「…お前ソレ、すげぇ殺し文句。」
ちょっ…あの…うわ…松山さん〜〜〜何するんですか〜〜〜
松山さんの方から日向にキッ…キス〜〜〜?
軽く触れるくらいだったけど、そのあと日向が松山さんを引き寄せてキスしても、松山さんは抵抗しないし。
俺、すげぇもの見ちまったかも…



しばし固まってると、パタンとドアが静かに閉じられた
ドキッ…
「覗き見は良くないよ〜新田君?」
そ、反町さん〜〜
「ま、そう言う事だからな。松山の事は諦めた方が良いと思うぞ、俺は。」
若島津さんまで〜〜〜
「あっ…諦めませんよっ俺は!日向…さんなんかには負けないからっ!」
そう言ってダッシュで逃げる。

あ〜〜日向なんかにさん付けなんかしちゃったよ〜俺。
だってあの二人、怖いんだもん〜〜
あ〜でも松山さん〜〜〜
結局その夜は悶々としてなかなか寝付けなった。

「昨日はありがとな、新田。」
次の日、ウォーミングアップをしていると、松山さんが後ろから声をかけてくれた。
「なんだ、寝不足か?眼の下にクマ、できてるぞ?無理すんなよ。」
あ〜〜優しいっ松山さんってば!
「松山さんっ!おっ…俺の事好きですかっ?」
「は?あ、ああ好きだよ?」
よっしゃ〜!!
「松山さん、俺、諦めませんから!」
「あ?ああ、がんばれよ。」
若島津さんと反町さんは思いっきり笑ってるけど。
日向のヤローは相変わらずガン垂れてくるし、いつもよりパスがキツイ気がするけど。
でも俺は負けないから!
好きです〜〜松山さん〜〜


 ふふふふふふふvvv
 どーですか!この可愛いお話!!明日香さんラブ〜〜〜〜!!
 実はもう、1ヶ月も前に頂いて一人占めしていたのですが、ようやくアップできました。ああ、ヘタレな挿し絵スイマセン・・・。頑張って描こうとねかせておいてみたものの、そんな数日でもともとのスキルがアップするわけでもなく〜。このままだと、せっかくのお話がお蔵入りしてしまう恐れもあったので焦ってみました。
 とにもかくにも、この新田君が可愛いのですよvvv新田君の「松山さ〜ん!!!好きです〜〜〜〜!!」な気持はほんとに良く分かる!ああん、こういう新田×松山が読みたかったのですよっ。
 そして、基本はマツコジじゃないと♪というところもツボつきまくりで。明日香さんワタシをどれだけ喜ばせてくれたことでしょうか。
 本当にいつも有り難うございます〜〜〜〜vvv

 是非、皆様も明日香さんも見ていらっしゃいますので、御感想などいただけると嬉しいですvvv
02.09.27)