記念日

 
 

明日香さまよりvvv
                                 

 記念日


何気に見ていたテレビのニュースのアナウンサーが「11月だと言うのに暖かいですねぇ」なんて言ってるのを聞いてああ、もう11月…と月が変わって数日経った今頃になって壁に掛けてあるカレンダーを捲ってみた。
ほとんど毎月、カレンダー上の数字にいくつか赤い丸が付けてあるのは日向の仕業。
どうやら何かの記念日らしい、と気付いたのはもうずいぶん前になるんだけど。
―――アニバーサリー男、だったんだなぁ…日向って。
こういうタイプって女の人特有のモノかと思ってた俺。特に日向に至ってはそんなイメージのカケラも無いようなヤツなので、最初知った時には心底驚いたけど。
まぁ、記念日大事にするのは良い事だと思うし、その日を祝うわけでもなく、俺にも覚えておくように強制するわけでもないので構わないんだけど、目に付くところに掛けてあるカレンダーに赤い丸が付けられてるとこういう事に無頓着な俺でもちょっと気になったりする。
なので、気付いた時には聞いてみたりもするんだけど、なんでそんな日覚えてるっ?っつかそんな事記念日にしてどうする、と驚き半分呆れ半分。
一緒に住み始めた日…だとかはまぁ分かるとして、初デートの日だとか(俺はどの辺までがデートなの未だに分からない…)、初めて○○した日だとか…とにかく細かい。
で、改めて今年分、残り1枚になったカレンダーをじっと見つめてみる。
そこには赤い丸が二つ。
ひとつは12月31日で―――これは覚えてる、って言うか忘れられないと言うか。俺が……だったんだよな〜大晦日だし、忘れられない日だよな。
気になるのが11月の赤丸。17日って―――祝日とかイベントの日でもないし一体何の
―――っておおよその予測はつくんだけど。だって今年の赤丸が後2つだろ?キス記念日ももうすでにあったし、あの日向が忘れるはずは無いだろう日。
俺だって忘れられる日じゃないけど、日にちまではなぁ…。
でも確か日暮れも早くて、肌寒くなってきた頃だったからちょうど今頃かぁ…。



今所属してるクラブチームに新人として入団して半年と少し。夏頃から少しづつ試合にも出場させてもらってプロ選手として認められ始め、俺自身も調子が良くってちょっと気が緩んだのかもしれない。
油断した俺は練習中に先輩と派手に接触。気付くと右足首に鈍痛を感じ、そのままチームドクターの世話になって、もちろんその後の練習には参加させてもらえなくて。
監督の帰宅命令に従うまま、その頃近くに住んでいた俺は寒空の下トボトボと歩いて帰らざるを得なかった。家に着いてもまだ夕飯時間前で。太陽も沈みかけててもっと遅い時間かと思ってた俺は久し振りの早い帰宅時間に時間を持て余しそうだと思ってる矢先に日向から夕飯の誘いの電話があったんだっけ。
当時まだ酒が飲める年齢に少し届かなかった俺達は駆け出しとはいえスキャンダルになるようなことは避けるように耳にタコが出来るほど言われていた事もあり、居酒屋で長居するよりもラーメン屋とか牛丼屋とかで腹いっぱい食べてはすぐ店を出ることが多かった。
その日もそういう類の店で飯を食って日向の家で飲む事になって―――


「ま、その辺適当に座ってろよ。」
日向に言われるでもなく勝手知ったる何とかで、頻繁に出入りする事も多くなった日向の部屋のカーペットの上に座り込み、テレビの電源を入れる。
「とりあえずコレで良いだろ―――ってオイ、なんだよその足…」
冷蔵庫から取り出したばかりの冷えた缶ビールを目の前のテーブルに置こうとした日向が俺の投げ出した右足を指摘する。
「ああ…」
「ああじゃねぇだろ。何隠してんだよ!」
「別に隠してたワケじゃねぇよ…」
確かに日向に気付かれないように歩き方とか気を付けてたけど…心配されたりするのって何かヤだし。
「家まで結構歩いてきただろ?知ってたらタクシーでも…」
「だから大丈夫なんだって。」
「捻挫か?いつやったんだ?」
「…今日。」
「で、あの時間に電話してすんなり出たわけだ。どうせ帰されたんだろ?」
溜息を吐きながら俺の隣に腰を下ろし、缶ビールを俺の分も開けてくれる。それを奪い取ると半分くらい一気に煽る。
「どうりで何かいつもと違うと思ったよ。ちょっと落ち込んでんだろ?」
―――図星だったりする。プロになってまだ半年と少しだけどその間大した故障も無く何に於いても順調だった。だからそれに甘んじてた自分にも腹が立つし、他の新人よりも早く公式戦に参加さえてもらえてた事もあって、少なからず浮かれ気分だったのも否定できなくて、そんな自分が情けなかった。
でも店で飯食ってる時もここに来る時もそんな自分を悟られないようにしてたつもりだったのに日向に気付かれてたなんて。

「慰めてやろうか?」
突然日向の顔が近付いてきて耳元に息が掛かる。
「―――っ、いらねぇっ!あっち行けよっ」
片手で日向を押し退け、残ってるビールを飲み干す。それでも迫ってくるヤツを払い除けては押し退け、空になった缶を押し付けてやる。
「ビール!」
「お前なぁ…今日捻挫したばっかだろ?アルコールはあんま良くねぇぞ。」
頭に押し付けられた空き缶を握ると苦笑いしながら俺から離れる。
「ま、それだけ元気があれば良いか。俺、風呂入ってくるわ。適当に飲んでろよ。」
日向が部屋を出た後でひとり、冷蔵庫からビールを取り出して再び座り込み、火照った頬に冷えた缶を当てる。冷てぇ…。
たかがビール1本で顔が熱くなったワケじゃない。
触れるほどに近付いてきた日向から掛かった吐息や俺の身体に僅かに触れる指先―――その全てに身体が過敏になってしまう。

『好き』という感情が友達としてではなく同性という枠を超えた特別な相手に対するモノになってもうすぐ1年になる。でも日向との間にまだカラダの関係はナイ。日向が俺とヤリたいのは痛いほど分かる。同じ男だし、すぐそばに気持ちが通じ合った相手が居るんだ、求めるモノは同じだろう?だから過去そういうコトに及んだ事が無いわけじゃない。でも全て未遂。それは俺が拒んだ所為。俺自身ひとりで自分を慰めてる時に日向を想いながらした事も1度や2度じゃない―――ケド実際に行為に及ぶとなるとちょっとコワイ。
そんな俺の気持ちを察した日向は無理強いはしないと、キスはしても、身体には触れてもそれ以上の事はしてこない。でも日向に触れられるだけでこんなにも身体が熱くなってしまう俺が居る。気持ちよりも体の方が正直に出来ているらしい…。

「何ボーっと見てんだよ、お前バレーなんて興味あったっけ?」
いつのまにか風呂から上がった日向がパンツ1枚で頭をガシガシ拭きながら後ろに立っていた。テレビから流れる映像がバレーの試合を映し出してた事なんか気にも留めてなかったんだけど。
「ワールドカップだよな、バレーの。おっ、日本勝ってんじゃん〜♪」
そのまま俺の隣に座り込む。
「服着ろよ、風邪引くぞ。」
「風呂上がったばっかりで暑いんだからいいだろ。それよりソレ取れてるぞ。」
俺の言った事を聞き流し、指差した先は俺の右足。見るとしっかりと巻いてあったはずの包帯が解けていた。
「…ヘタクソだな。貸せよ。」
包帯と格闘する事数分、指摘された時よりも酷い状態になってしまっていた。返す言葉も無く逆隣に座り込んだ日向に右足を預ける。
「へぇ〜上手いもんだな。」
「これくらい出来なくてどうする。」
「すいませんねぇ、不器用で。」
パンツ1丁でバスタオルを首に掛けただけの姿で胡座をかいた上に俺の足を乗せて手際良く包帯を巻く日向。しっかりと日に焼けた肌に鍛え上げられた体を羨ましく思う。
「……っ、んだよっ!」
しばらく日向に足を預けたまま不覚にも日向の体に見入っていたら脛に指を這わされてゾクっとなった。
「終わったんだけど?」
「だからってんな事すんなよ!」
「コレ…」
足を退けようとすると再び同じ所を指される。
「まだ残ってんだな。」
そこにはよく見ないと分からないほどの目立たない傷跡。けれど3センチ程のソレはあの頃の悔しい思い出と一緒に俺の体に残っている。
「…っ、ヤ、メロよっ…」
不意に足を持ち上げられてその場所に舌が這わされる感触に身体が強張り、言葉が上手く出なくなる。
「―――感じた?」
足から顔を上げた日向は悪戯っぽく笑ってはやんわりと自分の上から俺の足を降ろし、そのまま俺の上に覆い被さるようにして顔を近付けて来る。
「―――キス、しようぜ。」
風呂上りの匂いがした次の瞬間には唇を押し当てられていた。そしてすぐ離れていく唇と唇が触れるだけの、そんなキス。日向はそれで満足といった風に俺から離れて行こうとする。
「どした―――っ…」
そんな日向の行動を見ていただけの俺―――いつもなら。けれど気付けば首から掛けられたバスタオルを両手で引っ張っていた。そんないつもと違う行動に出た俺を見て不思議そうな顔をした日向をそのまま引っ張り、もう一度、今度は俺の方から唇を強く付ける。
日向の首に手を回し、角度を変えては何度も啄ばむようなキスをする。
「…っ、んっ…」
俺の方から誘ったキスなのに、いつの間にか誘導権は日向が持って行ってしまっていて―――口内に舌を侵入させた日向は歯列をなぞり、舌を絡め取っては吸い上げる。今まで何度も施された行為だけど巧く答えられない自分が少し悔しい。でもこうやって日向からされるキスは嫌いじゃない。
「んっ…はぁ…」
どのくらいしていたのか、ようやく唇が離れた時にはすっかり息が上がってしまっていた。
日向の指が伸びてきて飲み込めず口の端に流れていたどちらのかも分からない唾液を拭われて、俺を見据える真剣な眼差しにドキリとする。
「何見てんだよ…」
「今日は積極的なんだな。」
「悪いか。」
「イヤ、嬉しいが…歯止めが効かなくなりそうだ。」
パンツの中で日向が主張し始めてるのを服の上からなのにもかかわらず腰の辺りではっきりと感じ取っていた。
「いいよ、やろうぜ。」
「―――足の怪我で自棄になって言ってんだったら出来ねぇぞ。」
「そんなんじゃねぇよ。お前にずっと我慢させてて悪かったと思ってる―――ってのも変だよな、自分の事は棚に上げて。」
「松山?」
「俺も…俺だってお前と、って最近ひとりになるとそんな事ばっかり考えちまって…きっとずっとお前が欲しかったんだと思う。拒み続けてた俺がこんな事言うなんて矛盾してるって思うけど、身体は正直なんだよな。お前とキスしてるだけでホラ…」
プックリと膨れ上がった下半身にズボンの上から日向の右手を宛がわせる。
「だから…」
その次の言葉は触れて来た唇によって遮られてしまった。そのままカーペットの上にゆっくりと倒されシャツのボタンに手を掛けられる。
「電気…」
「ん?」
「点いてるの…ヤダ。」
「了解。」
笑いながら俺の上から退いた日向は電気を落とすと何を思ったのか部屋を出ていったがすぐに戻ってきて。
「何だよ、脱いじまったのか?」
その間に俺も日向と同じ格好になってしまおうと思っていたのに、ズボンを脱いだところで日向が戻ってきてしまった。
「何しに行ってんだよ、拍子抜けするヤツだな。」
「ああ、悪い。コレ使えよ。」
そう言って右足を少し持ち上げると柔らかいクッションを下に置いてくれる。
「力、入れちまうと負担になるからな。ま、途中で役に立たなくなっちまうだろうけど。」
優しい行動とは裏腹にニヤリと笑うと手に持っていた物をすぐ傍らに置き、シャツのボタンを外される。
「残りは俺が脱がしてやるよ。」
手際良くボタンを外す日向に半ば感心しながらされるが侭になってると日向の手が触れ、無遠慮に撫でらるその感触に考えるより先に身体が答えてしまう。
「んっ…ヤ、ダ…」
「相変わらず感度良いよな。」
「うる、せぇ…っ、ぁ…」
こんな時必要以上に反応してしまう自分が恨めしい。そんな俺の反応を楽しむように日向の指が俺を翻弄し始める。
「…んぁっ!」
敏感な個所を容赦なく弄び、指と舌で胸の突起物に触れられると漏れる声が押さえ切れなくなり、知らず腰が浮いてしまっていた。その瞬間履いていた1枚を膝まで下ろされ、キスしてた時以上に勃ち上がった中心部を露にされ、握り込まれる。
「ココも正直だよな。」
目の前に来た日向の顔は至極満足そうで。
「―――っるせ…っ、ふぁ…あぁっ!」
日向に良い様にされて返す言葉はいつも上手く出てこないのに、それすらも繋ぐ事は出来なくなってしまう。
握り込まれた俺は上下に扱かれ、先端から少しづつ流れ出てる液で日向の手を汚してるハズで―――。くちゅくちゅと卑猥な音がそれを鮮明なものにする。
自分でするのとは明らかに違う。あまりの刺激にいつの間にか涙が滲み、曇った目に映った日向の顔は笑えるほど真剣で。けれどもちろん笑う余裕なんか無く、日向の大きなゴツイ手の中で己がピクピクと主張し、今にも爆発しそうになる。
「はぁっ…も…っ、ひゅ、がっ…」
限界を訴えようと力の入らない手で日向の胸を押すと、限界寸前の俺から手を離される。中途半端で放られたままで自分を持て余していると掴まれた手首が日向のパンツの中へと導かれ、手の中に生温かく、俗物的なモノが触れる。
「俺も、お前見てるだけでイキそうだ…。もうこんなんになってる。」
それは大きく勃ち上がった日向で。日向の言う通り今にも放出しそうなくらい大きく昂ぶっていた。
そして日向は後ろに手を回し、尻に手を掛けてくる。
「ホントに良いか?」
「―――聞くなよ…」
「だってよ…」
さっきまで余裕たっぷりに見えた日向の気恥ずかしそうな態度が張り詰めていた気持ちを緩めてくれる。
「―――痛くすんなよ。」
日向の首に手を回して引き寄せ、耳元で言ってやる。これが俺の答え。
「努力はします。」
やんわりと俺を離し、行為を始める前に置いたビンを手に取った日向は中の液体を指で尻の間に塗り始めた。
「…っ、んだよっソレ…」
突然のひんやりとした感触に身を捩る。
「初めてなのにイキナリはマズイだろ?だからコレ使おうと思って持って来た。」
ローションか何からしいソレは日向の手によって入念に塗られ、その効力を借りて蕾の中に日向の指が割り入ってきた。
「―――っ!」
初めての異物の侵入にかなりの違和感。
「痛いか?」
「っかんねぇ…けど…変な感じがするっ…ぁっ、ヤダ…動かす…なっ…」
日向の指がナカで動き始め、掻き回されるような動きに今まで味わった事の無い感覚に捕われる。
「ヤ、ダ…っ、なんか変っ…んぁ…はぁ…」
「お前のナカ、すげぇ食い付いてきてる。今、指2本入ったぜ。」
日向の言葉を聞いて意味を把握するというより羞恥心の方が上回り、かぁっと全身の体温が上がる。それでも日向に指を抜かれるとさっきまでの感覚をまた求めてしまってる自分が居て―――。
「恥ずかしがる事なんか、ねぇ…」
太腿を持ち上げられ、尻が少し浮いたかと思った瞬間さっきまで指が挿入していた部分に熱いモノが当てられる。
「入れるぜ?」
「―――っ!」
ぐっ、と押し入れられる指とは明らかに違う重圧に低く声が漏れる。
「ちょっ…マジ、キツイって、ば…っ!」
それでも日向は俺の腰を引き、強引に入り込もうとしてくる。くそっ!痛くしねぇって言ったじゃねぇか!
「痛い、か?」
頭には来ても不安気な顔で覗き込んで来る日向を見るとつい自分を押し殺してしまう俺。結局日向には弱いんだよな…。
「…痛い、ケド…だいじょ、ぶだと思う、から…」
少し安堵の表情を浮かべた日向はそのまま行為を続けてきて。実際声も出せないほど衝撃があったりするんだけど、それでも日向に全てを預けて―――身体も心も全部。
「―――何?」
知らぬ間に流れ出ていた涙を日向の舌がなぞる。
「全部、入っちまった。お前のナカに…」
ほとんど放心状態のままぎゅぅっと抱き締められ、軽く口付けをされる。
「しばらくこのままで居たいけど…動いて、良いか?」
力無く頷くだけの返事をしたものの、日向は動く気配も無く―――と言うより動けないらしい。
「少し力、抜けねぇか?」
「―――んなの、ムリっ…どしたら良いかわかんねぇよ…」
日向がナカに入ってるというだけでかなりの重圧なのに、この上自分でどうにかしようだなんて出来っこねぇよ…。
すると少し俺から身体を離した日向は徐に俺へと手を伸ばし、ゆっくりと扱き始めた。
「…っ!ぁっ、ふぁっ…」
初めての後ろへの挿入で少し萎えかけてた俺だったけど、イク寸前まで勃起してたソレは日向の手の動きに合わせてあっという間に生気を取り戻した。
そして与えられる快感から忙しなく呼吸を繰り返すと、それに合わせるように日向がゆっくりと動き始めた。
「―――っ、ぁあっ…はっ、ひゅ、がっ…やっ、だっ…もぅっ…ぁあっ…」
前に与えられる快楽と、後ろから攻められる衝撃に今にも自分を手放しそうで、もう何が何だか分からなくなってしまっていた。
日向の腰の動きが手の動きと連動するように激しくなっていき、肉のぶつかり合う音を意識の端で聞いていた。
「はっ、んぁっ…も、ぁっ…おかしく…なっちま…はぁっ、ぁあ―――っ!!」
「ま、つ…やまっ、俺も、もう…―――っ!!」




不本意ながらその後の記憶は無かったりする。イッた時までの記憶は残ってるんだけど、俺はそのまま意識を失ったみたいで。気付いたら朝、日向のパジャマを着せられてベッドの上だった。
ただ体はすごく疲労感があって、怪我の所為か少し発熱もしてたみたいでぐったりしてた俺を見てオロオロしながらもなんだかんだと世話してた日向は鮮明に覚えてるんだけど。

「カレンダーに穴開くぞ?」
いつのまにか帰っていた日向が持っていた棒状の物で後ろから小突いてくる。
「なぁ、このカレンダーに印し付けるの、いい加減やめねぇ?」
「顔、赤いぞ?さすがにこの日は覚えてたか。」
ニヤリと笑う日向。ちょっとムカツク。それに答えになってないっつうの。
「ヒトが家に来た時聞かれたら困るだろ〜俺もほとんど覚えましたし?」
「別に覚える為に付けてるわけじゃねぇし。聞かれたらホントの事言えば良いし?」
「言えるかよっ!覚えておく為じゃないんならなんで印付けてあるんだよ…」
「これからも増やしていく為に決まってんだろ〜俺達の記念日♪365日全部赤丸付けるのが俺の目標だ。ホレ、これ来年のカレンダー。最近は貰えねぇのにありがたい事だよな。」
そう言って手に持ってた筒を手渡してくる。―――俺、日向ってヤツをまだ全部知り切って無いのかもしれない…。
取り敢えず今日は日向の意外な一面を発見した記念日か?…って俺まで感化されてどうするよ…。でもこれからも日向と一緒に居るんだろうし、赤丸を増やす協力をしなきゃいけないんだろうなぁ。
それにしてもせめて卓上カレンダーにするとか、自分の手帳に書くとかにして欲しい俺だった。




 明日香さまより、ワタクシまゆの誕生日プレゼントにいただいておりました素敵小ばなしです!!
 いやぁ〜ん、自分の誕生日が二人の初えっちの記念日だなんてっ!こんなにも幸せな事はあるでしょうかっ!もうもう、二人のはじめて・・・のシーンにドキドキむらむらではございませんかっ!
 そして、カレンダーに丸をせっせと増やしていく日向さんがナニゲにかっこいいような。最初は可愛いなぁこいつぅ〜と思っていたんですけど、なんかココまで松山君を愛してくれてる日向さんカッコイイんですけど。
 松山君は相変わらず魅力的で、日向さんも更に魅力的。こんな二人を書いてくれた明日香さんに本当感謝です〜。
 また、「挿し絵つけさせてもらいます!!」と意気込んでいたものの、すっかり年が明けてしまいました。慌てて絵をつけたので(おいおいおい;;)あまり挿し絵にもなっていない気がするんですけど、私の落書きは無視していただいて。
 明日香さん、本当にいつもありがとうございます!!!何度読み返しても幸せになります♪  (04.01.06)