会場から一歩出ると、「スイマセーン」とシステム手帳を片手にした男性と、大きなカメラを首から下げたカメラマンが俺たちに近寄ってきた。
一瞬ファンがサインを求めて出待ちをしていた(たまによくあるんだ)のかと思ったが、カメラマンの持つカメラが本格的なものだったので、皆で一瞬顔を見合わせた。
サッカー関係のパーティが都心にあるレストランを貸切にして行われ、俺や、いつもの面子が集まっていた。
二次会に行こうかと、外にでたところをつかまったのだ。
謎の男性は、俺たちの顔をきょろきょろと見回した。
「あのー、松山選手はまだですか?今日、きてますよね?」
「きてるけどー」
反町がいう。
「もうすぐでてくると思うよ」
岬が後ろを振り返りながらいう。
「そうですか。じゃあ、それまで皆さんも撮らせてもらっていいですか?あ、僕メンズモンノ編集部のイトウっていいます。では若島津さんから」
俺は、意図的に思いっきり不機嫌な表情を作りながら、小さく「またか」とつぶやいた。
そもそもアレ(松山)を取り巻く状況が、おかしくなったのも今日みたいな何かの集まりの時だった。
「御免、待たせた〜!寝坊しちった」
遅れてやってきた松山のその姿を目にして、俺は目を剥いた。なんだ、その格好は!
俺の気持ちを代弁するかのように、反町が松山に問いかける。
「なーに松山。服、着替える暇もなかったの?」
「ううん」
「だってソレ」
寝癖の付いた頭は勿論だが、その身にまとっているものはオレンジとブルーの2色を大胆に配した、微妙にてろてろ素材のジャージ。インには同じくてろてろ素材の黒いTシャツだ。下も上と同じジャージのようだがブルーがメインで、サイドにオレンジのラインが入ってて、足元はスニーカー・・・。
ジャージは勿論俺達もいつも着ている。練習着であり、戦闘服だ。だから着用することには問題ない。
しかしだ。
一応場所は、居酒屋じゃなくてダイニング。皆それなりにヨソイキの格好で来ている。小学生とか中学生じゃないからな。さすがにバリバリドレスアップしてるヤツもいないが、少しハズしてカジュアルになり過ぎない程度に軽くするのがお洒落ってもんだ。
ところが松山はなんだ。
まるで、近所のコンビニに買い物にいくような、全身ジャージで来やがった。
しかもその気狂いじみた色使いは何モノだ?はっきりいってみっともないぞ。このダサ男が!!
「服は前から選んであったから、すぐ来て出てきたんだぜ?」
俺の心の中の罵りを知る由もない松山が、のほほんと答える。
「だって、ジャージじゃん。松山それじゃあいつもと変わらないよ、ソレじゃあ。」
そのとおりだ。反町。だってジャージなんだよ!松山、もうおそいけど、TPOをわきまえろ。
しかし、松山はさも不満げにこう言った。
「え、でもコレおしゃれ用だぜ?いつもと全然違うだろ?」
どこが。どのへんが。どういう風にですか?俺にはさっぱり違いがわかりません!
そう思ったのは俺だけでは無いはずだ。その場にいた三杉も岬も早田だって誰しもが、可哀想なこどもをみつめるような生暖かい笑みを浮かべている。
とはいえ、まあ、松山だから仕方ないかぐらいの寛容さで、皆がそのおかしな姿の松山を、この時間だけ我慢すればいいだけの話だ。
それで済むはずだったのに。
「あのう、メンスクールの『おしゃれスナップ』担当のモノですが、皆さん大変おしゃれでいらっしゃるので、スナップを撮らせていただきたいのですがよろしいですか?ほんとにサッカー選手の皆さんおしゃれですねえ」
いつも取材とか、試合後のインタビューで写真を撮られるのは慣れているし、今日の自分の装いはまんざらでもなかったので、俺は快く了解した。
皆も、別に構わないという感じで、それじゃあということになった。
ただし。
「撮ってもいいけど、全員集合とかそういのはヤダよ」
と俺は条件をつけた。自分だけ目立ちたいとかそういうんではなくて、オレンジ色のにくいあんちくしょうと一緒にされるのだけは耐えられなかったからだ。
ところが物おじしそうにない松山が、
「俺は勘弁っす・・・」
と、ひとり尻込みしていた。堂々とそんな姿で出かけて来ているにも関わらずだ。それは自己主張の激しさじゃなかったのか?
まあ、自分で断るとは賢明だ。
写真撮られない方が松山のためにもいいだろうし、雑誌のほうも他のメンバーは撮るのに松山だけ断れず、社交辞令的に写して無駄なフイルムを使うことがなくて済むだろう。
「そんなこといわないでくださいよ〜。松山選手、是非お願いしますよ!」
どういうわけか、雑誌社の人は松山に必死に頼みこむではないか。
頼まれるとイヤとは言えない松山は、しぶしぶカメラの前にたち、数回シャッターを切られることとなった。
「ねえねえ、コレ、いつ載るの?」
「来月号には載ります。御協力ありがとうございましたー」
その後は、この話題で盛り上がる事となった。
「いや〜、びっくりしたなあ。こういうのは初めてだよ」
「俺、もっといい服きてくればよかったな」
そんなことがあったが、すっかりそのこと自体を忘れていたある日。
「健ちゃん!」
反町が血相をかえて飛び込んできた。片手にファッション雑誌を握りしめている。
「大変、大変、大変だよ〜!」
「落ち着けよ。何が大変なんだよ」
反町が雑誌をぱらぱらとめくり、あるページに辿り着くとそこを開いて俺に指差す。
その指先には、ページの半分くらいのスペースに、見覚えのある趣味の悪いジャージ・・・。
「松山?」
「そうそう、あの日の!みんなで集まった日のさー。松山がこんなに!」
怒ってるんだか、吃驚してるんだか、喜んでるんだか、とにかく興奮した反町が唾を飛ばしている。
その松山の写真に添えられた文章を読んだ。
サッカー全日本代表の松山光選手を青山でキャッチ。
キメ過ぎずはずしたジャージファッションの着こなし。
友人達との集まりにもスポーツファッションで現れた松山選手。
とても爽やかでした。
「バカだ・・・」
雑誌の悪ふざけか?そうとしか思えない。こんなのが大衆の支持を受けるわけがない。むしろ、こんな風に茶化して取り上げられてしまった松山が気の毒に思えるくらいの余裕が、まだこのときはあった。
しかし、あの時一緒に撮られた俺たちの写真が、わずか5cm四方になっているのを目の当たりにすると、微妙に風向きは変わってくる。
小さいな・・・。そして、何故。
この日の俺は、ディオール・オムの黒いパンツに、ドルチェ・アンド・ガッバーナのシャツを羽織って、黒いハットをかぶっていた。自分でいうのもなんだが、前の方のページに載っている外国人モデルにもひけをとらないだろう。
それが何故、松山よりも扱いが小さいんだ。
反町だって同じだ。かなり洋服には気を使い、金をかけているヤツだ。このときも、ポールスミスのシャツだかだった。靴はSOSUだ。三杉だって、岬だって、皆それぞれの個性を生かした着こなしをしていたというのに。
ちなみに日向さんは、グッチの黒いジャケットとパンツに、白いシャツを合わせた超無難なスタイルだったが、松山ほどではないが俺達より大きめに扱われていた。
この人も、基本的には松山と同じ“とりあえずジャージなセンスだけど、『日向小次郎』がそれなりのブランドになっているためイメージ戦略とかで、今はマネージメントしているところから専属のスタイリストがついている。
洋服は、全て勝手に揃えられているらしい。組み合わせも決められているので、日向さんはクローゼットに吊るされたものを取り出して着るだけということだ。
雑誌の記事に納得いってないのは反町も同じようで、ひどい〜〜〜と、さっきからこぼしている。
「なんか世の中間違って無い?ちょっと俺、ショック。大ショック」
「だな」
「松山が悪いわけじゃないけどさー。なんかさー」
「とにかく、松山はけっしておしゃれじゃない。それを明らかにしなきゃな」
俺と反町は目を合わせうなづきあうと、すぐさま街に繰り出した。
「松山、これやるよ」
「え?」
都心のカフェに突然呼び出されたうえ、大きな包みを渡された松山は目を白黒させている。
無理もない。松山の目の前には、ほころぶ口元をやっとの思いで引き締めている俺と反町。
「なんだよコレ」
「プレゼント」
「別に俺、今日誕生日じゃないぜ?」
「松山に是非あげたくて。俺と健ちゃんからね☆」
「ふーん。よくわかんねーけど。あけてみていい?」
にこやかにうなづくと、松山は怪訝な表情のまま包みを乱暴にがさごそと開いた。
そこには今どきは探すのが大変な、小豆色のジャージ。しかもちょっと松山には小さめのはずだ。
スポーツ用品店で、棚のかなり下の地層に埋もれていたものだ。店の主人までもが、
「いやあ、懐かしいねえ。今は全然こういうのは売れないからね。しかし、あんたら本当にこんなもの買うのかい?こっちのほうがいいんじゃないのかい?」
と代金を払った後までいっていたほどだ。
松山が選んでいるジャージは決してオシャレなものじゃない。それを証明するために必死で探した逸品だ。松山のセンスならきっと・・・。
「わ、コレいいじゃん!カッコイイ!まじにもらっちゃっていいの?」
「も、もちろん」
流石に松山もひくかもしれないなと、反町と二人で気を揉んでいたがその心配はいらなかったようだ。
そして、いそいそと松山はきていた上着を脱ぎ、小豆ジャージをはおる。
今日は練習帰りだとかで、チームのジャージをきていたが、これはナイキの最新モデルのフツーのやつ。これは流石にカッコいい。
しかし、上着だけ小豆ジャージにかえたとたん、なんともちぐはぐな印象となり、いや、はっきりちぐはぐなんだけど。とにかくちょっと笑っちゃう組み合わせになったのだった。
松山があまりにも喜んでいるので、ちょっと良心が咎めてくる。
「松山、それきて帰るのか?」
「おう。これから日向と映画いくんだー。二人ともありがとな。じゃ!」
軽やかに手を振って立ち去る松山に、残された俺達は顔を見合わせる。
「いまさ、日向さんと会うっていってたよね。」
「ああ」
「松山のことだから、絶対おれたちにもらったって自慢するよね」
「いうだろうな」
「まずいよ。日向さんに怒られるんじゃない?松山で遊ぶな!って」
「・・・いや、大丈夫だろう。あの人もセンスいいわけじゃないからな。ふーん、っていうだけだな」
「そうか、そうだよねー」
「これで、街の人々が過ったあの記事を忘れてくれる事を祈るだけだな」
平穏な日々がやぶられたのは、1ヶ月後の事だった。
青白い顔で反町がよろよろと寄ってきた。そして再び雑誌を指差す。そしてそこには・・・。
他の追随を許さないハズしテクニック☆
松山選手が提案する新たな着こなし
でかでかとかかれたあおり文句とともに、今度は一ページ丸まる使われて松山が載っていた。
また、どこぞでふらついてたときにでも撮られたのか、写真の松山は困ったようにはにかんでいる。首から下は俺達からのプレゼントの小豆ジャージ。そして下は松山の手持ちのキテレツな色のジャージが組み合わされていた。
いや、組み合わせとかいうレベルじゃないな。常識人では考え付かない、むしろ敬遠するソレは、たしかに他の追随は許さないに違い無い言える。
俺は悪夢を見ているのだろうか。おかしい。
俺達がやったことは、間違っていたのか?
それでもまだ、世の中のおかしな状況を受け入れる事ができない俺と反町に、厳しい現実が日々つきつけられていくことになった。
雑誌を開けば、オシャレボーイズの憧れの有名人に松山の名前が載るようになった。
『あの気取らない気こなしは最早頂点』
『ああいう風に着てみたい!』
とか・・・。
俺が次シーズンものをチェックしに、表参道のメゾンに出かけて行けば、道行く若者の一部は松山スタイルのキテレツジャージ野郎。
皆、頼む!目をさませ!!
俺と反町は、世の中を救うため、真の姿を知ってもらうべく松山に勘違いアイテムを送り続ける。ウエストのゴムがゆるゆるのジャージとか、夏はこれだぜとかいって、雪駄とか・・・。
それを松山はこれっぽちの疑いも抱かずに、喜んで受け取り着用する。
「ホントに若島津センスいいよなぁ。もらってばかりで悪いな」
と礼をいう松山の笑顔がとても眩しい。
俺はセンスはいいが、お前にやってるものはその対極にあるものだけどな、とは言わないが。
素直に喜んでくれるので、いつもやりとりのときは多少の良心が咎めるのだが、数日後には悪夢にうなされることになった。
ウエストゆるゆるのジャージのときは、勿論腰バキを意図しなくてもそーいうことになり、下着が覗いてしまう事になる。しかし、松山は別に見せるパンツとか全く意識しないわけで、普段はいてるフツーの下着のウエストゴムがちらちら見えてしまっていた。
俺が女の子だったら100年の恋も冷めるし、松山先輩に憧れれている後輩男子だったら頭丸狩りにして一歩間違えば不良になるところだ。
なのに、どういうわけだがそれがカッコイイということになり、街にはだらしない少年が溢れることになった。
日がたてばたつほど、追い詰められて行くのは俺の方だったのだ。
「松山さんホントかっこいいっす!俺もああなりたいっす!」
新田は、松山コピーというスタイルであらわれるようになっていたし。
最近すっかりやつれてしまった反町と俺に、岬が気の毒そうに話し掛けてくる。
「もう、松山にかまうのやめたら?アレ、全部さ若島津と反町でしょ?」
「・・・・・・」
「だめだよー。松山は天然なんだから。何もかんがえてないから着れちゃうんだよ。ボクは真似はしようと思わないけど、ああいうのも有りって思わせちゃうからさ松山は」
「みさき・・・」
「まあ、確かにおもしろいけど。松山も松山なりにポリシーあるみたいだしね」
「ポリシー?!」
「直接きいてみれば?」
そんなものあるのか?でも追い詰められている俺は恐る恐る尋ねてみる。
「松山、おまえ着る服にポリシーあるんだって?」
「ポリシーってんでもないけど・・・。着て楽な服?」
はい、ごもっとも。
「あと、ジャージだったらとりあえず、まともだろ。学校の時も、どっかいくときは制服かジャージだったらオッケーだったしな。」
それか!!だからジャージなのか!!!お前はまだ中学生のままなのか〜〜〜〜!!でもだからって、ジャージ・・・。どこにいくにもジャージって・・・。
「あ、俺ね。最近さー、てぬぐいにハマっててさー。ほら、なんかいろいろ使えんじゃん?頭にまいたり、首にまいたり」
見れば松山の首には緑のカエル柄の手ぬぐいが、スカーフよろしく巻かれていた。ジャージだけど・・・。
「なんかこういの流行ってるんだろ?俺もみんなと同じだなー」
松山はノー天気に言うが、それは皆がお前の真似をしているんだよとは、絶対に言えないし言いたく無い!!俺は信じない!!信じないぞ!!!
松山が、この松山が流行最先端なんてことは!!!
てぬぐいを巻いた若者が闊歩するようになったある日、いつものようにジャージ着用の松山と用事で会う事になった。既に俺と反町は、松山に不思議アイテムをおくることは止めていた。
それでもなお、松山の注目度が高いままなのは、もはや俺達にはわからない時代になってしまったということなのか。
その日の松山は、確かにジャージだったが下は普通のジーパンだったので、俺にも普通に見えた。
少しほっとする。いつもこれならいいのに・・・。
ところがよくよく見てみると、ジャージの上着の胸元には「ふらの中」の白い刺繍入り。懐かしい緑色の白ラインのジャージ・・・。
「それ・・・、おまえ・・・」
「あ、コレ?このまえ実家に帰ったら、まだ着れそうだからもってきたんだー。ほら、なんかジャージはやってるじゃん?」
俺は最早思考することを停止した。
松山と話していると、松山と会っているとどんどん俺が崩壊していってしまう!
数日後、ファッション雑誌には、いつものように、松山特集が組まれ、早速ふらの中ジャージを着用した松山が、控えめに微笑んでいた。
コイツ、わざとじゃないだろうな?世の中が振り回されているのを楽しんでみるために、やってるんじゃないだろうな・・・。
疑心暗鬼になるほど、松山は取材慣れ、撮影慣れしていないように見える。
松山スタイルを信奉する若者いわく、このナチュラルさがいいらしい。
俺にはさっぱりわからない。
反町が携帯をかけようとしていた。
俺の姿を認めると、あわてて背を向けこそこそと話しはじめる。
人の電話内容をきくほど俺もヤボじゃないので、少し離れたところでまつことにしたが???、
「もしもし、小田っち?オレ反町。うんうん、久しぶりー」
小田ってまさかな。
「あのさ、お願いがあるんだけど・・・・・。えっとね、ジャージ・・・・・うん・・・・そう。ふらの中の」
ああ、富良野の小田か。反町と仲よかったっけか。
って、待てよ。
「ある?・・・・・そうそう、ソレソレ。80年モデルのヤツ。うそ!女子用?まじ?・・・・・・それ超レア・・・・・ううん、なんでもない。・・・・それ譲って!あわせて7万円だす」
「そーりーまーち!」
「あ、御免。じゃあ、よろしくね!バイバイ〜〜〜」
背後に立った俺に気付いた反町は慌てて通話を切った。
「お前、小田になに頼んでんだ・・・・」
「だって、ふらの中ジャージ、いまヤフオクで10万円なんだよ?!すごくない?」
「で、なんだ、おまえはそれを転売するのか?」
「着るにきまってるじゃん☆あ、やば、えっと・・・」
「おまえ、俺を裏切るのか!」
「裏切るとかじゃなくって!!ご、ごめん!!だって俺も流行りのものがきたいんだよう〜〜!!」
反町は泣きながら走っていってしまった。
反町、おまえもか・・・!
ブルータスに殺されたカエサルのように、俺はとどめをさされた。
誰か、助けてくれ!このおかしな世界から俺を連れ出してくれ!!!!!!
俺の叫びはむなしくこだまするだけだった。
「松山・・・コレ」
「ん?東邦のジャージ?日向きてたやつ?」
「いや、新しいの」
「何?くれんの?」
「おう」
「ふーん、サンキュ」
プラダで固めた日向さんと、東邦ジャージを羽織った松山が歩いていたらしい。
東邦ジャージは黒だから、まあ、マシか。
そう思える程、俺ももう、松山のファッションはどうでもよくなった。
街の流行りはまた、次に目新しいものを見つけたら、それにのっかていくだけだろう。
俺は俺のスキなものを着るだけだということを、ようやく気付いたからだ。
日向さんは、松山がジャージをもらってくれてとても嬉しかったと、このまえ頬を染めながら俺にいっていたから、それをきた松山と日向さんを思い浮かべながら、お幸せにと呟いた。
おわり