日曜日の午後。
娯楽室でTVをみていた反町の頭に、松山の声が降ってきた。
ここは東邦学園高等部サッカー部寮。
この話の主人公の片割れ、松山光くんの現在の住まいである。
サッカーに打ち込むために、はるばる北海道から東京へやってきた。
(うふvvv 松山in東邦モノ書きたくてこの設定♪)
「なあ、日向しらねえ?」
「あ、お帰り。んーと日向さんはまだ帰ってきて無いけど・・・」
「あああああ!!!」
「な、何?そういえば一緒にいったんじゃ無かったっけ?帰りは別行動?」
「んー。ちょっと俺が本屋で立ち読みしてたら、アイツどっかいきやがって。先に帰ってきてやがると思ったんだけどなぁ・・・・」
「じゃあどっか寄り道してるだけじゃん?待ってリゃ帰ってくるでしょ」
「そうなんだけどよ・・・」
「なに?なんかあったの?」
「う〜ん・・・・・」
確か、二人は練習が休日となった今日、近くの街に買い出しに行っていたはずである。
いつになく、神妙な様子で押し黙ってしまった松山に、反町も不思議がる。
松山は、はぁ、と大きな溜息をついた。
「実はよぉ・・・・」
「じ、実は???」
反町はドキドキしながら、松山の言葉の続きをまった。
もとより表情のくるくるかわる松山が、さっき自分に声をかけてからというもの、赤くなったり、青くなったりで、そりゃもう好奇心がうずくばかりなのだ。
怒っているような、怯えているような、そんな態度。
「俺・・・日向の・・・・。ああ・・・・」
「日向さんのっ?」
「・・・・俺、アイツの財布持ってきちゃって・・・・」
「・・・・・なぁ〜んだ。そんなことか・・・。心配して損しちゃった」
「バカ!日向まだ自分の買い物してねえんだぜ?財布もってるつもりで、レジに並んでよ・・・・・・。あああああああ!!ヤバい、ヤバいって!!!」
その言葉に、外にいるときはむっつりとしていることの多い、日向がスーパーのレジで慌てる様子が目に浮かび、思わず反町はぷっと吹き出してしまった。
松山は、どうしよう〜〜〜〜〜!!と動物園の白熊のように、落ち着き無くうろうろしている。
「でも何で松山が日向さんの財布もってんの?」
「え?ああ、途中で缶コーヒー買うのに、俺、小銭もって無かったから借りたんだよ」
「日向さん財布ごと渡してくれたの?」
「・・・・ちょーどアイツが便所いってるときで、コート俺が持っててさ・・・。ポケットにはいってたから、ちょっと・・・。ついつい習慣で、コーヒー買い終わったら、自分のポケットにいれちまったんだよ・・・。悪気はなかったんだ・・・。俺・・・殺されるかもしれねえな・・・」
少し、うつろな目で、松山がそのときの状況を呟いた。
そんな松山の頭を反町は軽くぽんぽんと叩いてやる。
大丈夫、日向さんが松山にそれくらいのことに「本気で」怒るわけ無いのに。まあ、コミュニケーションとしてのどつき合いくらいはあるかもしれないけどね。
お仕置きもあるかもしれないけど・・・。それはむしろ、松山の方が大変かも・・・・。
言うと松山は怒るだろうから、絶対口にはできないけど。
「まあ、そんなこともたまにはあるよ」
「・・・あるかぁ?」
「だからたまにはねっ」
「・・・・・はぁ。どっちにしろ、悪ぃのは俺だからさ・・・・。部屋で待ってよ・・・・」
「日向さん帰ってきて、先に会えたら、松山が反省してたっていっとくよ」
「・・・・・さんきゅー」
1時間後、日向の影が寮玄関に映った。
これからはじまるであろう、日向の「松山を困らせるためのコミュニケーション喧嘩」の猿芝居を見たいが為に、玄関ホール横の娯楽室で我らがキャプテンを待っていた反町が、いそいそと迎えに出る。
多少は店で恥ずかしい思いをさせられて、流石の日向も機嫌が悪くなっていると本気の喧嘩になってしまう恐れがあるので、松山が怯えていることだけでも耳にいれてあげようという。優しい反町君である。
「おかえりなさ〜い、日向さん」
「おう」
あれ?
なんか機嫌いいんだけど・・・。それになんかその手にもっているのは・・・?
「・・・随分買い込みましたねえ?」
「だろ?」
日向が得意げに、左手に下げていた大きなビニール袋を反町の目の前に掲げる。
お金もってないんじゃなかったっけ・・・?
ぽかーんと、その袋を眺める反町に、日向が楽しそうに笑った。
「駅前に新しく100円ショップができてよ。いろいろ便利なモンいっぱい売ってたから買っちまった」
「あのー」
「なんだ反町?」
「それ・・・お金払ったんですよね?」
「ったりめーだろーが!・・・ああ、松山か?」
「はぁ・・・。なんかアイツ、日向さんの財布間違えて持って帰ってきちゃった!って凄い反省してますよ・・・。でも日向さんお金・・・」
「あー、レジで財布がねえときは、一瞬焦ったけどよ、今日は100円ショップいくつもりで、別に金出して直接ジーパンの尻にいれてあったんだよなー」
「日向さん、あーゆーお店スキですもんね」
「まあな」
あー、つきあいきれないなぁ、このヒトタチは・・・。
反町はやれやれ、といった風に頭を垂れた。
「だけど、松山にはお仕置きだな。やっぱ勝手に人のモン使うなんてな・・・・・。金の問題はきっちりつけておかねえと」
言ってる内容はかなり物騒だが、その口調には楽しそうな響きが含まれている。
表情はといえば、口元ににやにや笑いなんか浮かべちゃったりして、ちょっと恐い。
「まあ、あんまりタコ殴りとかやめてくださいね。松山大事なウチのレギュラーなんだから」
「わかってるって」
日向がひらひらと手を振りながら、松山の待つ彼等の部屋へと歩いていくのを、反町は見送った。
部屋では、松山が待ちくたびれてうたた寝していた。
日向の怒りに対する恐怖で、頭がパンクしてしまい、眠くなってしまったのだ。
普段ならば、そのくらいのことで怯えるような松山ではないのだが、とにかく自分がしてしまったことへの罪悪感に苛まれ、頭がぐるぐるしているのである。
むしろ、こんなことで頭を痛めるよりも、反省すべき事柄は他にあったんじゃないかという、過去の喧嘩についての原因は、松山の中では今回よりも軽いことだったらしい。
がちゃり。
ドアのあけられる音に、びくっと反応し、現実世界へ引き戻される。
浅い眠りから急に起こされた松山は、一瞬、ぼーっとしていたが、目の前に日向が帰ってきた事を認めると、慌ててベッドから降りた。
「ひゅ・・・うが・・・」
「財布」
松山の机の上に置かれた、自分の財布を指差すと静かに日向は口を開いた。
財布を手にとると、おずおずと松山が自分の目の前にそれを差し出した。
「ご、ゴメン。すぐ返すつもりだったんだけど、間違って自分のポケットに入れちゃって・・・」
上目遣いに、日向の表情を伺いながら、両手を顔の前で合わせる松山だった。
ああ、なんかが〜っ!って怒ってくれた方がいいのに〜〜〜〜〜〜〜!!
日向が財布の中身を確かめている。
「1000円多い」
「スミマセン。日向様!!それで勘弁してくださいっ!!俺が悪ぅございました!!!!」
「んー」
「あ〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
ようやく松山は、日向の腕にぶら下げられた白い袋の存在に気がつき、大きな声で叫んだ。
日向は、ああ、コレ?とベッドの上に袋を放り投げた。
「日向!!!金もってたんじゃ〜〜〜〜んっ!!くそぅ〜〜〜、心配して損したっ!!ちくしょう、金かえせ!!」
親指と人さし指で漱石君をつまんでひらひらさせていた日向の手より、松山は千円札を奪還した。
くっくっくっ、と日向が楽しそうに笑った。
ほーんと松山ってガキだよなぁ・・・。
「だけど財布ねえのは焦ったよなぁ・・・」
わざと、思い出すように眉間に皺を寄せながら呟く日向に、すっかりいつもの喧嘩モードに切り替わった松山も、すかさず切り返す。
「そうだ!だいたいよ、勝手にお前がどっかいっちまうのが悪いんじゃんか!本読むのくらい待っててくれりゃ、次の店いった時に財布なくても気付いたんだし!」
「なんだと?あんなくだらねえ本、気が狂う程長く読むテメエなんか待っててられっかよ!それに俺が次にいくとこくらい、探しに来いっつーの。俺、お前くんの待ってたんだぜ?」
「んなの、知るわけねぇだろうがっ」
「あのなぁ・・・・。出かける時にココ行くって言ったろうが・・・」
松山は日向に顎でしゃくられたほうに顔を動かした。
そこには先程ベッドに放り投げられた、日向の戦利品の袋。
「あっ。そういえば・・・」
「そういうことだ」
「で、でもさ、結局買い物できたんだから良かったじゃん?おっ、なんかいっぱい買ってきたのな、みせろよ♪」
慌てて、話の鉾先を変えようと日向のベッドに腰掛けると、松山はつとめて明るく100円ショップのビニール袋を漁りはじめた。
日向も黙って、袋を挟んで松山の横に腰掛けた。
「あー、コレ便利そう。お、菓子じゃん♪一緒に食わせろよ。ふーん」
次々に商品を取り出しては感想を言う。
最後に取り出したものを日向に差し出しながら、松山が不思議そうに尋ねた。
「こんなのも100円なのかー。すげえな今の100円ショップって。でも、日向こーゆーのに頼るの嫌いなんじゃなかったっけ?」
「俺が使うんじゃねーから」
「ちょっと俺に使わせて?」
日向は手の中のプラスチックの包装を剥がすと、松山にそれを再度手渡した。
松山は嬉々としてそれの電源をいれる。
「おおっ、けっこうスゲエ!!」
ぶぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん、と低く鈍い振動音が部屋に響く。
「ははははっ!このマッサージ器、超便利じゃん!!」
日向の買ってきた携帯マッサージ器を、肩に押し付けて松山は御満悦だ。
左手に握って、ツボを探してはうっとりとその振動にカラダを委ねている。
ひとしきり凝っていたらしい箇所を試し終えると、スイッチを消し日向に返した。
「だけど、自分で使わねーのになんで買ってんだ?」
「そりゃもちろん、お前にお仕置用ってことで」
「へ?お仕置き?なんの?」
「俺の財布窃盗の罪」
「もう、いいじゃねえか。それにコレで何するってんだよ。お前は機械のマッサージ嫌いみたいだけど、俺は別に嫌じゃ無いし・・・」
うんざり、といった顔で松山が日向を見上げた。
日向はといえば、寮に帰ってくる間中、どうやって松山にお仕置きしようかと楽しく下半身を火照らせながら帰ってきたのだ。
手元のマッサージ器を弄りながら思う。
ふと、店で目にしたコレ。
なんかまんまバイブレーターじゃねえか、と好奇心でカゴに放り込んだ。
お仕置き、というのも丁度いいキッカケにすぎない。
急にコレであーしたら怒るだろうしなぁ。松山のボケ具合が俺にとってもラッキーだったというわけだ。
日向はニヤニヤとしながら、再びマッサージ器の電源を入れる。
ぶぅ〜〜〜ん、と手の中の振動が腕にも伝わる。
確かにすげえな・・・これほどとは。松山にはちょっとアレか?
まあ、試してみる価値はあるけどなっ。
膨れっ面でぶつぶつ言っている、松山の顎に指をかける。
きょとん、とした顔に、傾けた顔を近づけて唇をおもむろに塞ぐ。
「───んんぅっ!!」
「いてっ!」
松山の手が、俺の頭をぽかり、と殴った。
全く手が早いのはどうにかならんもんかね、と思いつつ、しつこくキスを続けようと日向は松山の唇を軽く噛んだ。
そして、呼吸ごと奪うような勢いで、貪るように唇を重ねる。
日向の舌が絡み、怯えて隠れようとする松山のそれを追う。そして捉える。
「・・・ふっ・・・、んんぅ」
松山は、日向のキスに弱い。
もう、息ができなくて苦しいのに、むかつくのに、だんだんと日向の唇に酔わされていく。
頭の中がぼうっとして・・・・・。
引き剥がそうと突っぱねていた腕が、かくん、と折れてしまう。
ようやく、日向の唇が音を立てて離れていった。
はぁはぁとようやく新鮮な空気を吸い、松山は呼吸を整えた。
そして、互いの唾液に濡れていた口元に気付くと、顔を興奮と怒りで真っ赤にしながら慌てて拭った。
「もう!!!なんなんだよ!!イキナリさかるなっ、ったく日向は万年発情期なんだから・・・」
「なあ、松山。コレみて何とも思わねエか?」
「え・・・・?」
「オレのよりは小さいけど、指1本でも感じちゃう松山にはちょーどいいだろ?」
「???」
未だ、松山はなんのことだかわからない、といった不信な瞳で睨んでくる。
まじにわかってねえのかぁ?
日向は苦笑を零さざるを得ない。
「まあ、イキナリ・・・っつーのもアレだから、とりあえず・・・・」
ベッドに並んで腰掛けたままの松山を、押し倒した日向は松山の肩をしっかりと押さえ込み、ケリをいれられかねない両足は自分の体重で動かせないようにした。
「ヤメロっ!!やだ〜〜〜〜!!!ちょっと〜〜〜!!そ、そうだ、もうすぐ夕飯なんだぜ〜〜〜〜?」
「メシは後で俺が食わしてやる。とりあえずお前は俺に詫びてもらわないといけないわけだ。大人しくお仕置き受けなさい♪」
「お仕置き、ってなにいってやがる〜〜〜〜!」
「・・・たまたま金もってたからよかったようなモノの・・・」
「う〜〜〜〜〜!」
日向は、松山のTシャツの上から胸の粒を探し当て、そのままぺロリと一嘗めした。
唾液で布地を湿らせながら、歯で挟んで軽く噛んだりすると、みる間にぷっくりと立ち上がった。
ますます日向は、音をさせながら吸ってくる。
濡れたシャツが張り付く感触が松山には気持ち悪い。
しかし、ぞくぞくとした甘い痺れが、どんどん胸のあたりから生まれては、全身へ走っていく。
「・・・ひゃっ・・んぅっ、やめろって!!」
日向に縫い止められた両肩は、必死に起き上がろうとしてもびくともしない。
顔に日向の髪が掛かり、わさわさと揺れるのにも、顎をくすぐられる感覚で・・・。
「はぁ・・・・んっ、マジ、日向、しつこく・・・なめんなよっ・・、あんっ」
堪えきれない吐息混じりの、制止の言葉が、更に日向を煽ってしまう事に松山は気付かない。
日向は、ふっ、と鼻で笑うと、身体を起こした。
「わかった。嘗めない」
「はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・」
松山はあがってしまった息を、必死に整え身体を起こそうとするのを、再びベッドに押し倒される。
日向は、眉をしかめる松山の唇にキスを一つ落とすと、先程から低い振動音をひびかせている、アレを手にとりニヤリ、と松山の大きな漆黒の瞳を覗き込む。
「嘗めないけど、やめるとはいってないぜ?」
「・・・・・・やんっ」
松山のTシャツをたくしあげると、先程布越しに弄られ、赤くぷっつりと存在を主張している乳首を、指で弾く。
そして、右手に握ったバイブする小さな機械の先端を、そっとその胸の突起に近付けた。
ぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん
ツボを刺激するために尖った金属の振動が、松山の乳首に伝わる。
「いゃぁああああああああああんっ!!!!」
あまりに刺激が強いのか、今まで胸を弄った時には聴いた事が無い程の声を松山は上げた。
身体は振動が伝わってしまったかのように、細かく全身が痙攣する。
「すっげえ感じ方・・・・」
思わず感心したように、日向はその機械をしみじみと眺めた。
左右の乳首に交互に刺激を与える。
押しつぶしたり、わざと触れるだけにしてみたり。
「ひゃぁ・・・、ああんぅ・・・っ!はあんっ!!」
あまりの快感に松山の目尻に浮かぶ真珠のような涙を唇で吸い取りながらも、日向はマッサージ器を脇腹や、へその近くに動かしていく。
びくびくと松山の躰は面白いように跳ね上がる。
「・・・っ、やめ・・・・っ、まじ・・・・・きっつ・・いっ・・・んあっ!」
松山の部屋着代わりのTシャツとジャージのズボンを一気に剥ぎ取った。
「ふぇ・・・・」
目に涙を溜めながら、ベッドの上に横たわっている松山の真っ白な裸体。
抜けるように白い肌は上気して、桜色に染まっている。
その過敏になった身体は、どこも触っていないのに びくびくと震えていた。
特に松山の中心は、元気にその存在を主張し勃ち上がっている。そして先端からは透明な液をしとどに滴らせ、限界を訴えていた。
「松山、もういきそうか?」
「・・・・んっ」
肯定なのか否定なのか、嫌々でもするように頭が振られる。
ああっ、なんて可愛いんだ!俺の松山!!
だから余計にいぢめたくなっちまうんだよなぁ・・・。
「でも、イイのはまだまだこれからだぜ?もうちっと我慢してくれよな」
「・・・あっ・・んっ」
日向は松山自身に優しく指を絡めると、溢れだした液体で指先で掬いとる。
そうして、ぶるぶると震える機械の先端にそれを塗り込めた。
おもむろに松山の白い大腿を抱え上げ、己の肩に脚を担ぎ上げるカッコウになった。
松山本人ですらゼッタイに目にすることがなく、日向しかしらない、松山の秘められた蕾にそっとマッサージ器をあてがう。
「あああああああああっ!!!!」
ぶるぶるとした振動がその谷間から脚に伝わっているのか、日向の肩の上の松山の爪先がびくびくとつるような動きをする。
松山は、かってない与えられる感覚に、どうしていいかわからなくなっていた。
なんというか、これは、押し付けられている場所からじんじんと伝わる振動で、全身がこそばゆくて・・・・。気持ちよくて・・・・・。
「ひゅう・・がぁ・・・・っ」
耐えきれず、日向の名を呼ぶ。
自分をこんなにしている相手なのに、しかも今日は変なモノ買ってくるし、絶対後でグーで殴ってやる!と白い幕の掛かった頭で思いながらも。
やっぱり日向だから、こんなになってしまう自分がいるのだ。
「ひゅうがぁ・・ひゅう・・・がぁ・・・・」
「お仕置きにしちゃ、気持ちよすぎたか?」
「んんっ・・・そん・・なぁ・・・、あうううっ!!」
日向は右手の機械をぐっと、松山の蕾の中へ押し込めた。
先ほどまで部屋中に響いていた振動音が、松山に取り込まれた事によりすこしくぐもった音になる。
かなりの刺激なのか、松山の声は悲鳴に変わった。
冷たい異物を埋められた松山は、無意識にそれを押し出そうとして、力を込めてしまう。
しかし振動するソレは、逆に奥まで松山のなかへ引き込まれていく。
「やぁ・・・あぅっ・・・・ああんんんんんっっ!!」
松山の両手が助けを求めるように日向の腕を掴んだ。
日向がいつも自分の指でほぐすように、ソレを出し入れする間もなく、松山は大きく痙攣すると、白い飛沫を飛ばした。
しかし、相変わらず松山の蕾には、100円ショップのマッサージ器が埋められたままで・・・。
白い双丘はぶるぶると細かく震えている。
やまない刺激に、松山の大きな両瞳から、ぽろぽろと大粒の涙がこぼれ落ちた。
「まじ、すげえ・・・。全然直接弄んなくてもイッちまったな・・・」
「はぁはぁ・・・、もぉ・・・壊れちゃうよぅ・・・・早くとっ・・・てっ」
「・・・・たまんねえ・・・。松山・・・、ほんとお前って可愛い・・・・っ」
「んんんんん・・・・ぅ」
日向は、マッサージ器を引き抜くと、すぐに自身の欲望を深く埋め込んだ。
「ああんっ、あんっ、ああん!!」
細い腰をがっしりと掴むと、下から激しく突き上げた。
「まつやまっ・・・・」
日向は熱く濡れた狭い松山の体内を、欲望に駆られるままに蹂躙し、味わい尽くすように腰を動かす。
繋がった場所からたてられる音が、スイッチを切る間も無く投げ捨てられたマッサージ器から発する鈍い振動音と不協和音になって部屋中に響き渡る。
「ひゅうがっ・・・ひゅうがは・・・あった・・・けぇ・・・・」
松山が息も絶え絶えになりながら、何かを日向に伝えようと、必死に腕を掴み快感にぎゅっと瞑ってしまう目蓋を薄く。
「まつやま?」
「・・・・んぅ、ヘンな・・・アレ・・・冷たくて・・・でもひゅうがは・・・あったかいから・・・だから・・・」
「・・・・ゴメンな松山。もう、使わねえから・・・」
「んっ」
愛おしさに、動きをとめぎゅうっと松山を抱き締める。
そうだよな・・・。キモチイイだけじゃなくて、松山はちゃんと俺も求めてくれてるんだ・・・・。
日向は、再び勃ちあがっていた松山自身を握り、上下に緩く手を動かしながら、腰の突き上げを再開した。
角度を変え、激しく打ち付ける。
「・・好きだ・・・松山っ」
うっ、と低く呻き、日向は松山のなかに放出した。
「ああっ・・・・・ああ!!」
続いて、松山も自身の下腹を濡らした。
調子に乗り過ぎた日向は、この後散々松山にボコられた。
普段の日向ならば、殴られた痛みにかっとなり、応酬に次ぐ応酬でかなりの喧嘩になってしまうところ、何故かやられっぱなしだった。
「ったく!!!!!!コレはもう、捨てるからな!!!何がお仕置きだ阿呆っ」
散々、たかが15cmほどの100円の商品によがらされてしまった松山は、憎々しげにマッサージ器を指でつまむとゴミ箱に放り込んだ。
殴られた頬を摩りながら、うれしそうに日向が漏らす。
「松山は、そんなのよりも、あったけえ俺自身の方がいいんだもんな♪もう、いくらでもやってやるからな・・・・ぶっ!!」
「少しは反省しろっ!!」
日向に右ストレートをしっかりきめた松山は、それでもへらへらしている日向の尻をけると、ドアを指差した。
「食堂いってなんか食料調達してきやがれ!!!」
「・・・・・・・・」
日向が後日、また、100円ショップでアレを買ってくることになったのは、この最後のひと蹴りが原因だったとは、松山はまだ知る由もなかった。
終わり;;