プレゼント

 
 

明日香さまよりvvv
                                 

 プレゼント


12月になると街は一気にクリスマスモード。
色鮮やかなイルミネーションやクリスマスカラーで彩られたショーウィンドゥとか。
何気に歩いていてもそういうのは当たり前のように目に入ってくるから、クリスマスって知らない間に過ぎてるって事が無いんだよな、きっと。
道行く人も誰かにあげるんだろうか、それとも貰った物なんだろうか、プレゼントらしき物を持って歩いてる人も多くて。
「な、日向。お前クリスマスプレゼントに貰えるんだったら何が欲しい?」
そんな人たちを見ていて何気に出た言葉。
別に深い意味なんて無かったんだけど。
「何だよ、何かくれる訳?」
「イヤ、別に。聞いてみただけ。」
今まで一度もクリスマスにプレゼントなんてあげた事もないし、もちろん貰った事もない。そんなガラでもないし…。
「ふ〜ん…お前、かな、やっぱ。」
思わず固まってしまった。
誰にも聞かれてないとはいえ、こんな人通りの多い往来で、しかも真っ昼間だぞ!
しばらく言葉も出ないで立ち止まってると、日向のヤツ、笑いながらさっさと歩いて行きやがった。何かムカツク…。

今はシーズンオフ。雑誌の取材やらマスコミ関係の仕事も増えて、そういうのあんまり得意じゃない俺は毎日疲れ果てて帰ってくる事が多かった。それは日向も同じみたいで、そんな時舞い込んだ反町からの飲み会の誘いに二人して飛びついた。
久しぶりに飲んで大騒ぎ。
反町がクリスマス前だってのに彼女に振られたとかで、この飲み会は催されたみたいだけど、集まったメンバーも似たような輩が多いのか、妙に意気投合してかなり盛り上がってたし、俺も久し振りに酔いが回るほど飲ませてもらった。
ま、マンションに戻る頃にはほとんど酒は抜けていたけど。

「あ〜さっぱりした!日向、入って〜」
風呂から上がると日向が不思議そうにキレイにと言うか、必要以上にラッピングされた包みを見ていた。
「何だ、コレ?」
「あ〜ソレ?反町がくれたんだよ。ちょっと早いけどクリスマスプレゼントだってさ。何か感動するとか何とか言ってたからドラえもんの映画か何かじゃ無ぇの?」
そう言うと日向は興味なさそうにその包みを俺に渡して風呂に入っていった。
しかし…こんなにラッピングする必要があるのかってくらいクリスマスカラーのリボンと包装紙で包まれたビデオらしき代物。
反町にしてみれば愛嬌でしたんだろうけど、剥くのに時間が掛かるぞ、コレは。
取りあえずリボンだけ取って反町には申し訳ないけど包装紙は無惨な姿になっちまった。
やっぱりビデオだったけど、何のタイトルも書いてない。
やっぱりドラえもんかな?
日向は長風呂だし、ちょっと見てみようかな。

再生すると軽やかな音楽。やっぱりドラえもんか。
反町ほどじゃないけど、俺も結構好きだから日向が風呂から出てくるまでちょっと見てようと冷蔵庫からビールを取り出してテレビの前のソファーに座り込んだ。
…のび太って良いよな〜俺もドラえもん欲しいぞ。
いつもの如くドラえもんに泣きついてるのび太を見てそう思う。
始まって数分、流れてくる映像に見入り始めた頃、俺は飲みかけたビールを吹き出しそうになった。
…何だよ、コレ!!
急に画像が悪くなったと思ったら女の人の口元が映って、音声も変な声に変わる。
その女の人の顔が映り、何故か目に目隠しされてて。
しばらく呆然と固まってしまったけど、怖いモノ見たさでそのままビデオを見続けてしまった。
コレって…もしかしてSMってヤツ?
反町、こんな趣味あったのか?
縄で椅子に縛ったり、目隠ししたり、罵声を浴びせたり…初めて見た。
性癖って人それぞれだけど、こんなんでホントに感じたりすんのか?なんて真面目に考えてしまう。
だってこんなん見ても勃たねぇもん、俺。

「何見てんだよ、お前…」
後ろから突然声がして滅茶苦茶焦った。
何故だか真剣に見入ってしまってて日向が風呂から上がってきたのに全然気付かなくて、慌ててリモコンを探すけど、時すでに遅し。
「ひゅっ、日向…イヤ、コレは反町がくれたヤツだよ。何が入ってるのかと思って見てたらドラえもんだったのにイキナリこんなんに変わっちまって…」
何を焦ってるんだ、俺は…ホントの事言ってるんだから焦る事はないんだけど。
「ふ〜ん…ま、どうでも良いけど散らかしたら片付けとけよな。」
焦る俺とは対照的に日向と言えば俺が破り散らかした物を片付け始めた。
そういや日向ってこういうの全然興味ないよな。こんな類のビデオとか雑誌とか、見てるの見た事無い。
「何だよ?」
「日向ってさ、こういうの興味ない訳?イヤ、別にSMとかにって訳じゃなくってさ、ん〜エロビデオって言うかさ、そういうの。」
素朴な疑問…だと思うんだけど。
日向は片付ける手を止めてムッとしたような、怪訝そうな顔をした。
「興味ねぇよ。」
そんなにあっさり言われてしまうと返す言葉がないんだけど…。
そのまま会話が途切れてしまって空気が重く感じてしまった俺は少し温くなり始めたビールを一口飲むとこれ以上ビデオを見る気にもなれず足下に転がってたリモコンを拾う。
「松山。」
ビデオを止めようとした時、ゴミを片付けに行った筈の日向に呼ばれて頭だけ振り向く。
「何?」
「ちょっと手、貸せ。」
…手?俺は持っていたリモコンとビールを机の上に置いて日向に両手を差し出した。
「イヤ、そうじゃねぇ。…座ってちゃできねぇな。ちょっと立て。」
何なんだよ、一体…それになんで命令形なんだ?
腑に落ちないが何時になく真剣な顔して近づいてくる日向の言われるままに立ってやる。
すると日向は俺の両腕を後ろに引っ張ってさっき俺が解いて散らかしたクリスマスカラーのリボンで両手首を後ろ手に縛り始めた。
「ちょっ…日向ッ!何やってんだよっ!!オイ!」
思いも掛けない日向の行動に一瞬戸惑ったけど、すぐ抵抗に出る。
でも日向のバカ力で押さえ付けられた両手はあっという間に縛られて。
「何しやがる!解けよ、コレ!!」
前ならともかく、後ろに縛られた手では少なからず動きが制限されて日向を殴る事も出来ない。
日向のヤツ、何考えてんだよ…。
必死になって両手を動かすけど、どんな括り方をしたんだか解けそうにも無い。
「もうっ!日向ッ!いい加減に…うわっ!」
日向に向かってもう一度怒鳴ろうと後ろを向こうとした瞬間、目の前が真っ暗になった。
何かで目隠しされたみたいだけど、両手は後ろで括られてるし、外す事も出来ない。そのままソファーに座り込んでしまう。
「何すんだよ!見えねぇじゃねぇかっ!取れよ、コレ!手もっ!!」
怒鳴り散らす事しかできない自分が情けなくなってくる。
コレって…さっき見てたビデオみたいじゃねぇか…。
まさか―――!
「お前興味ねぇって言ったじゃねぇかっ!ビデオ見て盛んじゃねぇよっ!」
座ったまま自由の利く足で抵抗を試みるけど、見えない俺は完全不利。簡単に日向に押さえ込まれて口を塞がれる。
日向の舌が俺の口内に割り込んでくる。
舌が俺を求めてきてもこんな状態で答える事なんか出来ないでいると唇が離された。
「あんなビデオなんかに興味なんか持てるかよ。俺が興味あるのはお前だけだ。」
それだけ言うと今度はパジャマ代わりのトレーナーを捲り上げられ、乳首を吸い上げられる。
「は…っん」
思わず上擦った声が漏れる。俺はそれ以上声を出したくなくて声を押し殺そうとするけど、日向の舌が俺の突起を転がし、キツく吸い上げるたび声が漏れそうになる。
「んんっ…はっ…」
「なんで声出さねぇんだよ。いつもみたいに声、出せよ。」
いつもみたいに…ってんな状況じゃねぇだろっ?俺、目隠しされて何も見えねぇし、後ろに手を縛られて思うように動けねぇし。
でも日向の行為は俺を駆り立て始める。
「な、んで…こんな事、すんだ、よ…」
流されそうになる感情を抑えて精一杯の抵抗を試みる。
「なんでって、言ったろ?お前に興味があるから。それに…」
脇腹辺りを撫で上げられる。
「ひゃっ…!ヤダ…っ」
そこは俺の弱い所で。身体の方が敏感に反応してしまって、意志に反して声が漏れる。
「たまには新鮮で良いだろ?こういうのも。」
…全然良くねぇよっ!
日向の舌が胸の突起から離され、下の方に降りてくる感触がやけに生々しく感じる。
いつも思わず目を瞑ってしまう程感じてしまう刺激。
でも人為的にこうやって目隠しなんかされると日向の行動の先が読めなくて、何だか…
「犯されてる気分?」
今まで必要以上に俺の身体を這い回っていた舌が耳元に来てゾクッとした瞬間、囁かれた一言。
身体の体温が一気に上昇したような気がした。
「ココは正直だもんな。」
パジャマ代わりのスウェットの上から俺の両脚の間にある物を下から撫で上げられる。
「ふぁ…」
悔しいけど日向の言う通り、俺自身は主張し始めてて。
俺、変だ。さっきあのビデオ見てた時は何にも感じなかったし、こんな格好させられてるのは不本意なのに何で…。

いろんな考えがグルグルしてくるけど、再び求められた激しいキスに思考回路が奪われる。
日向の舌が俺の舌を絡め取り、何度も角度を変えては熱く貪るようなキスを施される。
いつものように日向の背に手を回して流されそうになる理性を留めようとする僅かな抵抗さえも奪われ、日向に求められるが侭に答える。

「…もしかしてお前、見えない分、いつも以上に感じてんじゃねぇ?」
長いキスの後、すっかり息の上がってしまった俺に追い打ちを掛けるような日向のセリフ。
「それにコレ。少なからず動きを制限されるのも良い刺激になってんじゃねぇの?」
後ろに縛られた両手首をリボンの上から掴まれる。
「…んっな訳ねぇだろ!早くコレ、取れよっ!」
思いっきり否定したけど、きっと日向はニヤついてる筈。見えなくても分かる。だって俺の顔、絶対赤い…。
「早く取れって、ば…っ…ふぁ…んっ…や、だ…日向、んなトコ…」
手首から離れた日向の手がスルリと背中からパンツの中に入れられて、俺の尻の真ん中に当てがわれる。
その感触に思わず仰け反り、逃げ腰になったのを日向が見逃すはずはなく、スウェットごとパンツを剥ぎ取られた。



「しっかり感じてんじゃん。」
さっきまでの日向の攻め立てにすっかり勃ち上がってしまってる俺を銜え込まれる。
「はっ…ぁんっ…あ、ああん…」
見えない俺にとっては日向の行為は読めなくて。突然銜え込まれた俺は日向の口の中で一回り大きくなった感じがした。
日向の舌が根元から先の方まで這い回り、銜え込んでは上下する。
ちゅぱちゅぱと卑猥な音が聞こえてきて。
音だけって何かすげ、ヤラシイ…。
「ん、もう…あっ…いい加減、に…ああっ…はぁああんっ」
抵抗するために開いた口からは日向の施す甘く熱い刺激に耐えられず、意志に関係なく喘ぎ声が漏れる。
そして身体は快感に支配され、ビクビクと震え始めた。
ヤバイ…
「も、離…せよっ…んっ…マジ、イキそうだってばっ…ふぁっ…」
日向は俺の懇願を聞き入れる様子もなく、口に含んだ俺をキツく吸い上げた瞬間、俺は日向の口の中で果ててしまった。
射精後の独特の疲労感にそのままソファーに身体を埋めようと思った時、ゴクリと喉の鳴る音。
―――――信じらんねぇ!!
こんな格好させられて、口でイカされて、その上出したモノ飲まれて…
「お前、何考えて…オイ、これ以上何しやがるっ?」
起きあがって文句を言ってやろうと思ったらイキナリソファーに押し倒されて、日向の口に出した後まだ少し先に残っていたであろう俺の精液を絡め取ると後ろの入り口を割り行って来た。
「はぁっ…んっ…」
イッたばかりでまだ火照りが残る俺の身体は少しの刺激だけでもひどく反応しまう。
日向の指が内部を弄りはじめ、再び甘く疼き始めてしまった俺は抵抗するよりも日向を求めてしまう。
日向に慣らされてしまってるソコは2本の指の挿入さえ簡単に許してしまい、それ以上の熱いモノを求めて勝手に動いてしまう腰も恨めしい。
「…んっぁっ…日向ぁ…手、痛い…」
日向に押し倒された事によって俺の両手は身体の下になってしまっていて、快楽に身を泳がせながらも時折手の痛みに気付いた。
日向は片手で俺の身を起こすと、そのまま自分に寄り掛からせ、片手だけで器用にリボンを解いた。
久し振りに自由になった手は迷わず日向を求めた。
そのまま日向を殴る事も、眼を覆っている物を取る事も出来たはずなのに。
「松山。」
耳元で囁かれる甘く深い低音。それだけでイッてしまいそうになる。
「ちょっと早いけど、貰っても良いだろ?リボンも取ったし…な?」
下腹の所に日向が熱く昂ったものを押し当ててくる。
そしてまだ俺の中に埋められた指は執拗に俺を攻め立てて来て。
「…ぁあんっ…や、ぁああっ…も、ヤダ、っても…はぁんっ…するくせ…にっ…」
結局日向を拒む事なんて出来るはずもなく、唯、声を上げながら腰を浮かせては日向にしがみつく事しか出来なかった。
「ぁあん…っ!」
一気に指を引き抜かれてその刺激に身体が反り返り、そのまま日向にゆっくり倒された。
「じゃ、遠慮無く。」
軽いキスの後、日向は俺の足を抱え上げ肩に乗せると一気に挿入してきた。
「ぁああ――――っ!」
日向は的確に俺の一番敏感なところを突き上げては挿入を繰り返し、その度に俺は腰を浮かせ、日向を全身で受け止めた。
「…はっ、んんっ…ひゅ、が…俺、もう…」
二度目の射精感が襲う。
日向のシャツを掴んで懇願すると日向は挿入したまま動きを止め、不意に目隠しされていた物を外された。
部屋の明るさに瞬間目を背けたけど、目の前に日向の嬉しそうな顔。それでいてどこか余裕が無さそうなのは日向も限界が近いからだろうな。
「やっぱ、イク時は顔、見てぇからな。」
そう言うと止めていた日向自身を一層激しく動かし始めた。
「…ぁあああああ――――――っ!!」
折角解放された両目も快感の波にのまれ、再び硬く閉じてしまって日向の顔を見る事が出来なくなってしまった。
「あ、あ…も、イキそう――――っ!!!」
「――――っ!!」
俺が絶頂を迎えると、日向も低く呻いて俺の中に欲望を放った。


――――後日――――
『ねぇねぇ、どうだった?感動したっしょ?特にラストがさ〜〜』
反町からの電話に食って掛かったのは言うまでもない。
『え〜ウソ!俺ちゃんとドラえもん頼んだはずなのに〜〜』
「頼んだって誰にだよ?」
『若島津。俺んちダビングできないからさ〜若島津に松山にあげるからって頼んだの。もうラッピングもしてくれてあったからさ、絶対ドラえもん撮ってくれてあると思ってた。ホント、ごめん。日向さん、怒ってない〜?』
何で日向なんだよ…怒りたいのは俺だ!
結局反町は何も知らなかった訳だから怒っても仕方ないんだけど…。
……若島津……何か見透かされてる気がして怖い。
あ〜〜くそっ!!
クセになったらどうしてくれんだよ〜
ああ、クリスマスが来る度に思い出しそうだ…。

2002.12.22



  昨年末!ちゃんとお話どおりのクリスマス前に明日香様より頂いていたお話でしたが、またしても私の懐であっためてしまってました〜〜〜;;
 しかし一人占めは勿体無いので、皆様にも御覧頂きたくて今さらながらアップさせていただきましたvvv
 相変わらずラブラブの二人のお話にめろめろ〜〜〜〜んです♪
 松山君にしか興味が無いと言い切る日向さんが、なんともいえずかっこいいです!!いくらいじわるプレイしても(笑)。やっぱり松山君が可愛いからしょうがないわよね〜〜〜vvv
 私の挿し絵は相変わらず付けない方がよかったんじゃ・・・・という感じでスイマセン;;
 しかも目隠ししてると松山君だかなんだかよくわかりませんね(爆)。
 続きも頂いていますのでお楽しみに〜〜〜vvv
明日香さんいつもありがとうです〜〜〜v愛してます〜〜〜vvvv
    (03.02.04)