(春だから 1、2は表ペイジ「story」にございます。よろしければそちらから御覧くださいませ)
きてしまった・・・・・。
日向とふたり、新宿のパークハイアットの一室で、ツインのベッドのそれぞれ両端に座ってじっとしている。
しかも俺達、さっきから黙りこくったままだ。
っていうか、日向。おまえなんとか言えよ・・・。重苦しいこの雰囲気。
俺はじめてなんだから。どうしていいかわかんねーんだよ。くそー、恥ずかしいなぁ。
ふと視線をあげ窓をみると、キラキラと星をばらまいたような、東京の夜景が広がっている。
すっげえきれい・・・。富良野の星空みてえ・・・。
「松山!」
「お、おう」
「・・・お前、はじめて?」
そんなこと聞くなよ!はじめてだよ。悪いか!!
かああっと顔が赤くなるのが自分でもわかる。くっそう!!
黙り込む俺に、日向がそろそろと近寄って俺の隣に腰掛ける。
あ、キスされるのかなぁ・・・。
日向が俺の肩に手をかける。
思わず、びくっと体が震える。ちくしょう!緊張してるのが日向にばれちまうっ。
悟られまいと、日向の目をじっと見つめる。
「松山・・・。お前、ほんと目ぇでっけえな。それに睫ながいし。ほんとに・・・・・・すっげえかわいい・・・。キス・・・してもいい?」
恥ずかしいことをいうな〜!!!!いちいち確認するなぁ〜!!!
それでも俺は、返事がわりに目をぎゅうっと瞑った。
ここにきた時点で覚悟はできている。さあ、いつでもこいっ日向っ。
だんだんと日向の顔が近付いてくるのを熱で感じた。頬に吐息がかかりくすぐったい。
とてつもなく長い時間のような気がする。早くしやがれ。
ようやく日向の唇が俺に重なるが、軽く触れただけですぐに離される。あいた隙間に顔がすーすーする。
おい?キスってこれだけ?別にねだってるわけでもないけどさぁ・・・。もっとぶちゅうーっとやるもんじゃねえの?
「・・・日向?」
俺は訝し気に目を開き、目の前にある日向の顔を覗き込んだ。
そこには多分俺と同じくらい真っ赤な顔の、日向が困った顔で俺をみつめていた。
「なんだよ・・・」
「いや、松山がほんとに俺のモノになるんだなぁって実感が急に湧いてきてよ・・・。俺、このままいくと、たぶん、わけわかんなくなっちまうんじゃねーかと思って」
「ばっかやろう・・・。わけわかんなくてもいいから、さっさとやってくれ!」
どうも普段と違う日向に調子が狂う。そんな純情そうに頬そめて、俺を優しい顔でみつめるんじゃないっ!
そのくせ瞳はぎらぎらと欲望に濡れているし、触れている体からは、火傷しそうなくらいの熱さが伝わってきている。なんなんだよっ。
って・・・まてよ?
もしかして日向もはじめてだとか?
まあ、男とバリバリやってるっていわれたら、俺もちょっとヤダ。でも、日向だったら女の子とかとは。かなりやってるんだろうと思ってんだけどさ。
場数は踏んでるんだろうと。だからリードしてくれるだろうとある意味安心してきてるんですけど。
俺はぁ・・・まっじめな高校生だから・・・女の子とも・・・ナイ。キスぐらいはあるけど。えっちはナイ。
だもんで人のこといえたアレじゃないが、この態度ってさぁ。
「日向」
しょーがねーなーと、俺は、意を決して日向に抱きついてみる。
恥ずかしいのでぎゅうっと日向の胸に頭をつけ、両手を背に回す。
「ま、まつやま?」
おまえ、俺とやりたかったんでしょ。だったらもっとちゃんとしてくんなきゃだめだろーが。
俺にいわすきか?俺にここまでさせんなよバカ野郎。
口にだせないその思いを、抱き締める力に込める。
ごくりと唾を飲む音が耳元で鳴り、顎に手がかけられ顔を上に向けさせられた。
「もお、とまんねえぞ?松山いいのかほんとに」
こくこくと頭をふる。今さら逃げだせないだろ、この状況で。
つーか、しつこいって。日向、コレ女の子相手だったら嫌がられるぜ。
その場の勢いってやつも大事なんだから。
「じゃあ・・・いくぞ松山」
なんだかなぁ、とため息をつこうとしたその口は日向の唇に塞がれた。
宣言通りというか、日向はさっきまでとは大違いにいきなり激しくなった。
貪るようにキスされる。
そして俺も未体験ゾーンの舌が入ってくる。ぐねぐねと日向の舌が俺の舌をからめとりながら、口腔内を暴れ回る。
これがディープってやつかぁ!!と感動する間も無く、俺の頭はなんだかピンク色の霞がかかってきていた。
結構・・・気持ちいいかも・・・。
しかも日向が一生懸命に、俺を求めている。なんか・・・勝った気分。
「・・・っはぁ・・・」
ようやく口を解放されて、ため息をこぼす。
飲み込みきれなかった、俺と日向の唾液が、いやらしくお互いの口端からたれた。
「・・・やっぱ、すっげえいい、松山っ」
日向の唇が耳の付け根あたりを舐め始めた。ぴちゃぴちゃと音をたてながら、顎のラインをなぞり、喉仏もひと嘗めされる。
こそばゆい感覚に、体が跳ねる。びくんっびくんっと信じられないくらいに。
うわぁ〜、なんなんだコレ〜。
「ちょ、ちょい・・・日向っ落ち着けっ」
「阿呆、今さら止められるかっ」
日向の手が、いつのまにかTシャツの裾をたくしあげ、俺の胸の上を這い回りはじめていた。
胸の突起を指で転がされ、思わず声があがる。
「はぁああんっ」
ななななな、何?今の声。お、おれっ?
日向の動きが一瞬止る。
俺はといえば、そんな声をだしてしまったことに驚いて、口を両手で塞いだ。
感じると声がでるっていうけど・・・俺も?
「・・・あんっ、はぁっ!」
日向が、今度は乳首を集中的に攻め始めた。摘んだり、転がしたり。
ずんずんと触られたところが疼き、全身に電流のように痺れが流れる。
うわ〜うわ〜うわ〜!!!
頭とは裏腹に、手の隙間からは甘ったるい声が漏れているんだろう。日向がうれしそうにいいやがった。
「松山、いい声もっときかせろよ」
そうして日向は俺の乳首をかりっと噛んだ。
今までないくらいに、俺のからだが跳ねる。快感から逃げようと、知らず知らずにベッドの上にずりあがっていく。
ちろちろと舌先で、転がされ、次第に熱がある一点に集まりはじめていった。
足の付け根にあるソコが、ジーパンの中で己を主張している。はやく自由になりたいと疼いている。
日向にTシャツを脱がされ、あらわになった上半身は、脇腹から臍から、あますところなくなめられ、吸い付かれ、もはや俺の体とは思えないくらい、別の感覚で包まれていた。
喘ぐ声が、自分でも艶を含んでいるのがわかる。
日向の執拗な愛撫に、頭の中が蕩けてきていた。あまりの快感に、思わずじわあっと涙が目に浮かぶ。
反射的に身を捩るたび、はらはらと涙が頬をつたうのがわかった。
なんで泣いてるんだ〜俺〜。
しかし、止めようが無い。
「・・・嫌か?松山?」
「ち、ちがっ・・・ああんっ!ひ、ひゅう・・がっ」
心配そうに日向が、俺の涙を唇で掬いとる。しかし、体を這い回る手の動きは止らない。
俺は、無意識に掴んでいたシーツから手を離し、日向の首に手を回した。
それが合図とでもいうように、日向が俺のジーパンのジッパーをさげ、下着ごと引きずりおろした。
熱くなっているそこが、空気に触れる。
日向が、勢いよく自分の服を脱ぎ、全裸になって俺の上に被いかぶさる。
「・・・松山・・・・」
ひときわ低いトーンで囁かれる。その声だけで、俺のからだは感じてしまう。
もお、終わっちゃってんな俺・・・・。
日向が俺のそこを弄びはじめた。生々しい音が部屋中に響いている。くちゅくちゅと先走りの液を、形にそって塗りたくるように強弱をつけて握っている。
「あっ、あっ」
すでに、日向の愛撫で爆発寸前になっている俺の体に、信じられないくらいのエクスタシーが行き渡る。
全身が痺れてなにがなんだかわからない。
がくがくと小刻みに腰が揺れてしまう。でも、自分ではどうすることもできなくて、ぎゅうっと日向にしがみつく。
より日向と密接した形になり、俺の臍にめちゃくちゃ熱い鉄の棒が押し付けられた。
日向も俺で興奮してるの?男みて喜ぶなんて変態だな・・・・ってそれにやられて喜んでる俺はもっと変態かぁ・・・。
我ながら、朦朧とした頭でもよく考える。
俺、やっぱり日向が好きなんだよなぁ。じゃなきゃ、こんなことできねえよなぁ・・・。
日向だから感じるんだよな。たぶん。コレがはじめてだからわかんねーけど・・・。
間もなく訪れそうな射精感に、俺の意識は日向が弄っているソコに集中する。
どくどくと脈打ち、日向のごつごつした手の細かい節々までもリアルに感じられる。
「ひ、日向あっ・・・い、いいっちゃうっっん!!」
体を小刻みに震わせ、俺は日向よりも先にいかされてしまった。
日向が俺の精液で汚れた手を舐めている。
「ば、ばか、きたねーよっ!」
体は余韻ですごい脱力感に襲われていたけれど、その日向の姿に半身を起こし、日向の腕を掴もうとする。
しかし、軽々と俺の手は逆に捕らえられ、そのままばふっとベッドの上に押し戻される。
「きたなくなんかねえ。お前のだから・・・。それに濡らさなきゃなんねーし・・・」
「・・・えっ?」
「やり方くらいは知っている・・・」
そう、静かな口調で日向はいい、俺の口を塞いだ。
やり方って・・・・、うっそ、まじ?もしかしてっ、いれんの〜っ??
わ、わかってたつもりだったけど、現実にその場面になると恐い。だって、自慰はするからどんなもんかくらいは、わかってたけど。後ろはいれるとこじゃねえじゃんかぁぁ。
っていうか、無理。絶対無理!
まだ、射精してない日向自身を目の当たりにして、俺は青くなった。
思わず、逃げようと日向の体を押し退けようとする。
しかし、力強くベッドに張り付けられた俺は身動きすることもできない。
日向の指が、内股をいやらしく這い、べとべととした感覚がその場所に辿り着いてしまった。
俺の精液と唾液で濡れた指が、内部を探りはじめる。
侵入を拒むように、収縮するそこを無理矢理にこじ開けて。
「ひゃぁ・・・や、やだって・・・おい、ひゅうがぁぁっ」
俺は必死で身を捩り無理だとはわかりつつも、逃げようとする。
気持ち悪いような、へんな感覚にすっかり甘い気分はどっかへ飛んでしまった。
そんな俺の状況を察したのか、日向が気が付いたように俺自身へと空いている手を伸ばし、包み込むと擦りたてた。
さっき出したばかりなのに、たちまち、俺はどんどん硬く大きくなっていく。
それに伴い、後のほうも日向のごつごつした指に、中を擦られぐちゅぐちゅとかき回された。
だんだんと、気持ち悪いだけでない感覚に包まれていく。
「ひぅ、あああんっ、はっ、あああ・・・んんっ!!」
悲鳴のような濡れた声が、断続的に俺の口から漏れている。
日向の指の攻めに、強い震えが全身を駆け回る。びくんびくんと体が浮き立つ。
足を掬いあげられ、大きく左右にひらかされた。いやいやと俺は首を振った。
ぐいっと、ソコに日向の猛々しい鉄棒が当てがわられたかと思うまもなく、貫かれた。
「いっ──────っつ!!!!」
指とは比べ物にならないくらいの質量に、おれの中は悲鳴をあげた。
めりめりと肉を引き裂かれるような感覚に、目の前がちかちかする。
「力抜いてくれ・・・松山・・・っ」
日向も苦しそうに眉を寄せながら、無理な体勢で俺にディープキスを施す。
俺は、痛みから逃げるように、日向の舌に一生懸命、自分の舌をからめた。
体の強張りがふととけた瞬間、日向がずるりと奥まで身を沈めた。
圧迫感に、無意識に強く締め付けてしまうと、より日向がリアルに感じられた。
「せま・・・っ。松山っ、最高だ・・・っ」
「・・・・はぁ・・ひゅう・・・がぁ・・・」
日向を呼ぶ声がすっげえ甘い。
「動くぞ・・・」
日向が堪えきれなくなったように腰をグラインドしはじめた。
はじめは、狭いそこをずるずると擦るようにゆっくりと。
日向のソレの脈打つ部分まで、俺の内襞は感じ取っていた。熱い、中が熱くてたまらない。
動きに中が慣れはじめると、ずぶずぶと激しく俺を突き刺し、日向が中で大暴れする。
動きにあわせて、喘ぎが止らない。
「あっ、あっ、あっ!」
熱さで痛みの感覚がなくなり、くすぐったいような感覚にかわっている。
日向と俺がどろどろに一つになっている。繋がっている───。
「・・・・・・いくっ・・・・」
「ああっ・・・お、おれ・・・もっ・・・・・!」
日向が俺の中にどくどくと精を吐き出すと同時に、俺も日向のものを強く締め付けた。
はぁ・・・・とうとうやっちまった・・・。
日向は、満足げに嫌がる俺を抱え上げ、でっけえ風呂に放り込むと、自分はシャワーを浴びてさっさとバスルームをでていこうとした。
なんだよと文句を言おうとすると、日向が振り向き、ぼそりといった。
「・・・これ以上やったら、お前壊しちゃうだろ」
「ばっ!」
「好きだぜ松山」
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
もうもう、最後まで恥ずかしいやつめ!!
ぷんすか怒りながらも、日向に与えられた体に残る甘い疼きはけっして嫌なものではなかった。
ゆっくりと風呂に入り、部屋に戻ると日向はもう寝ていた。
俺もベッドに潜り込む。
すうすうと寝息をたてているのを確認して、日向の背中に向かって俺も熱くコクってやる。
「俺も好きだ、日向」
「・・・・知ってる」
くそー!!狸寝入りかよ!
背中がくっくっとわらっていた。
終わりました。ほんとーに。長かったよ「春だから」。もう全然春じゃねーよなんですけど。初H編。初々しい二人を目指してかいたものの、やっぱりエロはエロよねえ・・・。でも松小次はいいですねっ!(01.04.30)
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