真夜中

 
 

                                秋津しょう様よりvv
 

[真夜中]

体が熱かった。頭の天辺から爪先まで通る、一本の糸が痺れ
ていた。

酒に飲まれた風でもない日向。嫌な事があって、荒れている
訳でもない。なのに深夜0時を回って、いきなりやって来て、
当たり前のような態度で、俺をソファーに押し倒した。
乱暴に口の中を舌で探って、吸い上げる。抗議する声すら上
げられない。
寝巻き代わりのTシャツは脱がしやすいらしく、瞬く間に床
に落とされた。

「なんなんだよ!」

唇が離れる隙を見て叫んだ。日向は胸の突起をいじりながら、

「エロの神様が突然降りて来た」とぬかした。
「フザケンナ、テメー!」

突起を舌でもいじられ、俺の抵抗は少し弱まる。胸から脇腹
をスッと指先が撫で、内股にたどり着く。それからズボンの
中へ進入させ、ギュッと俺の物を握る。
自分がすでに堕ちているから、性急に俺を堕とそうとしてい
る。
日向は強引に自分のズボンの中へ、俺の手を差し込む。きき
手じゃないのは、不慣れに動くからイイとの事でだろう。

「ちゃんとやれよ」

日向は動きの悪い手に、自分の手を重ねて動かす。キスを繰
り返してから、俺はとうとう裸にされた。
ひっくり返され、腰を持ち上げられ、顔をクッションに押し
付けられ、唾液にまみれた指に耐えなくてはならない。
日向の押し殺す笑い声が聞こえた。



「やらしー」

卑猥な音は俺にも聞こえる。昔はいちいち文句を言ったが、
今は口にするのも面倒で、されるままになっていた。
挿入が始まり、いやらしい音をさせていた指が俺の目の前に
やって来る。
ギシギシ、ソファーが揺れる。
こうされる度、本来なら俺も揺らす側なんだと思う。
寂しいとは思わないが、空しいと思う時がある。俺は揺らす
側に生まれて来たはずなのにって。

「好きだぞ、松山 光」
「フルネームで…言うな…」
「好きだ」

好きと言われると、簡単に空しい気持ちを忘れてしまう。
あったかい物で埋められてしまうのだ。
そうすると、中で動く日向を感じたい、と思ってしまうから
不思議でならない。
ギュッと力を入れると、日向は甘えた声を出す。

「スゲェ、好き」
「ソー…デスカ」

日向は機嫌良く揺れ続ける。事が終わればもっと良くなる。

「やっぱ急いで終わらすのやめよ」
「急いで…終わらす……?」
「明日早いからさ、睡眠時間を気にしててよ。
 でもやっぱ出来ないなぁ、疲れ果てるまでしよーと」
「…………」

俺はお構いなしに起き上がった。そして頭突きに加え、ラリ
アートを見舞ってやった。

「お望み通り、疲れ果てるまで殴ってやる!」
「殴られるのは望んでない!」

……深夜の乱闘。
こんな馬鹿な行為は、この先、何回繰り返されるのだろう。

--- 終 ---

 
 
 


 秋津しょう様より、萌える裏短文をいただきましたvvvv
 いぜんに何か書いて下さるとのありがたいお申し出に、「エロでおねがいしますっ!!」と言っていたオバカな私に、心優しいしょう様が恵んでくださいました。
 わ〜ん、うれしいよう!!
 しょうさんの松山君は、滅茶苦茶男っぽいガサツそうなところがツボなのですvv
 二人とも「する」ことに対しての姿勢?が実にドライというか、男っぽいところが大好きなのです。今回も、「本来揺らす側」とか考えてる松山にやられました・・・。日向さんのスキモノなところも好き〜〜〜〜〜!!!
 そして二人ならではの堂々回りのエンディング♪
 本当にありがとうございます〜〜〜〜〜!!
 恩を仇で返すようにつけてしまった挿し絵・・・。ノートに落書きしてあったヤツでした(爆)。ちょーど使えるなぁ・・・って。ああ、露骨でスイマセン;;一応ぼかしてみたんですけど、余計エロいですか・・・? (02.10.
02)