インタラクティブ

 
 


                                 



「あ、日向?俺」
「おー、もうそろそろか?」
「今日、帰れなくなっちまった」
「なに?」
「飛行機欠航だってよ。そっちでもニュースでやってんだろ?」
「まじかよ・・・」

 ざわざわと五月蝿い周りの音に邪魔されないように、口元を覆いながら携帯に決定事項を伝えた。
 俺は、仕事で北海道に出かけていた。しかし、折から北上していた台風がちょうど俺の乗る予定だった
最終便時間に合わせるように北海道に上陸してしまった。当然ながら便は欠航。飛行機以外には東京に帰
る術もない。
 ニュースでは台風の進行速度が早まったとかいってたから、どうにか今晩には帰れるかなと淡い
期待を抱いていたが、相手が自然では人間は太刀打ちできないのだ。
 とりあえず、東京で待っているはずの同居人の日向に電話を入れたというわけだ。かなり首を長くして
いるはずで。
 日向は俺よりも大きなため息をついていた。

「はぁ・・・。お前、ついてねえな。誕生日だろ?今日」
「しょうがねえじゃねえかよ・・・。ま、そーゆーことだから明日になるわ。そっち戻るの」
「・・・料理いっぱい作っちまった」
「あー、お前の煮豚うめーんだよな。腹減った・・・。何も食ってねえし」
「冷蔵庫いれときゃ明日食えるな。明日何時になるんだよ?」
「そんなのまだわかんねえよ。とりあえず今日泊まるトコ考えなきゃなんねえし」

 北海道だから実家に戻るっていっても、この時間じゃ富良野までは無理だし、外は凄い風雨だ。
 電話をかけている空港ロビーのガラス窓にも、さっきから叩き付けるような雨粒が踊っている。
 
「んじゃ明日また電話するからよ」
「おい、とりあえず落ち着いたら電話入れろよ?」
「いいじゃん、もう。とりあえずまたな」
「松山!」

 とにかくホントに泊まるトコ探さねぇとまずそうだ。結局俺と同じ便に乗る予定だった人たちがみんな
溢れるわけだかんな。
 全くほんとにとんだ誕生日だぜ―――。



 空港に隣接する、航空会社直営のホテルにチェックインすることができた。狭いシングルルーム。だけど
ロビーの椅子で寝るよりはマシだろう。
 腹は減っていたけれど、夕飯を食べに行く気力もなくなって、ホテル内の売店でインスタントラーメンと
ビールを調達してきた。備品のポットでお湯をわかし、ラーメンを食った。
 そして、ビールを啜る。
 侘びしい・・・。ホントだったら今頃は日向のヤツの手作りの料理食って、誕生日祝ってもらってる筈だ
ったのによ・・・。
 口では今さら祝ってもらう年でもねえし、なんて言っちまうけどさ。やっぱりなんか誕生日ってこう、期
待しちまうよな。自分の誕生日忘れるってコト、よっぽどじゃなきゃねーと思う。
 特に日向のヤツはかなり前から6月21日は楽しみにしてろよなんていってたからさぁ。どうしても仕事
が入っちまったけど、その日のうちに帰るからってんでどうにか日向の機嫌も損ねずに済んでたのに。
 俺の誕生日なのに日向の方が盛り上がってんだもんよ。仕事だって俺のせいじゃないってーの。
 多分、今もイライラしてんじゃねーかなと思う。電話しろとか言ってたけどできねえよな・・・。日向と
話してると俺もイライラしそうだから、早く風呂はいって寝ちまおう。明日は晴れるといいな。
 

 ざっとシャワーを浴びて、早々にベッドに潜りこんだもののなかなか寝つけなかった。時計を見ると、ま
だ11時前。ちょっと早すぎだったかな。でもする事ねえし、どうするかな。
 テレビをつけて台風情報を少し見る。でも上陸してしまえば後はそのままどっかいっちまうだけだ。天気
予報も明日は台風一過で晴れって言ってる。それを聞いたらまた目的がなくなって、電源を落とした。
 そういや去年の誕生日は、やっぱり日向にセッティングされたイベントだったんだよな。なんか旅行に連
れってやるとか言われて、温泉とか行ったっけ。
すげえ気持ちよくて、楽しかったけど。料理も旨かったし、部屋も離れで勝手にできて落ち着いてて―――
朝までえっちしたっけなぁ・・・・・。
 あの時、日向と飽きるまでセックスしたことを思い出して、体が火照る。なんか・・・したくなっちまっ
た・・・。
 浴衣の裾からもぞもぞと右手を下半身に潜り込ませてしまう。
 男なんだもん、生理現象はどうしようもねえよな。・・・それに今晩もするはずだったんだ。ここ暫く日
向とはすれ違いだったから、かなり久しぶりの予定だった。
 俺は下着を太股の途中まで少し下げると、刺激を欲しがっている股間のモノを握りこんだ。
 まだいつも通りのままぐんにゃりとしているソコを、ゆっくりと擦り上げていく。頭では、日向とやる時
のことを思い浮かべてしまう。
 日向との関係にどっぷり・・・だな、俺も。
 次第に血液がソコへ集まってくる感覚。手の中のものもだんだん張りを持って大きく育ち始めた。

「・・・はっ・・・」

 行為に没頭しはじめた俺の不意をつくように、突然携帯電話が鳴り始めた。
 はっと我に帰って、俺しかいない部屋だけど慌てて乱れた裾をかき合わせた。そして一呼吸おいて電話にで
た。どうせ相手は―――

「・・・なんで電話してこねえんだよ。今、どうしたよ?」
「・・・ひゅうが」
「心配するじゃねえか。泊まるトコ決まったのか?」
「ん、ホテルとれたから」
「そっか・・・」
「・・・心配しなくてヘーキだっつーの。もう寝てたし」
「だって俺、まだお前に言ってねえ」
「あ?」
「誕生日おめでとさん」
「あ、そうだっけ・・・?・・・・ありがとよ」
「今日じゃねえと意味ねえしな」
「俺は祝ってもらうのいつでもいいけど」
「明日は明日でまたやるけどよ。それより・・・お前、今してたろ?」
「・・・何を」
 
 日向の言葉に、一瞬自慰していたのがばれたのかと体に緊張が走る。でも待てよ。まだ日向は何をしてた
かとは言ってねえし―――。
 
「マスかいてたろ」
「なっ!・・・・な、なんでだよ!!してねえよ!!」

 ズバリ指摘され、思わず声が上ずってしまう。

「お前の声・・・違うんだぜ。気付いて無いだろ」
「勝手な事言うなよ!寝起きだからっ―――」
「俺も今松山のコト考えてしようかと思ってたから・・・」
「・・・・!」

 電話の向こうの日向の声がワントーン落ちる。
 ただでさえ低い声が益々低くなった。
 俺の声、そんなに普段と違っていたんだろうか?わかんねえ。
 でも日向も思ってたって―――?俺と同じふうに?
 
「松山、指、しゃぶってみて」
「へ?」

 日向が普通の会話のようにさらりといった言葉の意味が一瞬わかんなかった。
 思わず聞きかえす。なんだって?

「俺の指しゃぶるときみたいに・・・」
「バカ!なにいってんだよっ!!」
「松山・・・音きかせてくれよ。俺だって―――」

 腰にずどんと来る超低音ボイスで日向が囁く。耳にあてた受話器から鼓膜に直接響くようだ。思わず
受話器を遠ざけてしまいそうになる。くすぐったい。まるで日向がココにいて、俺の耳元で言ってるよ
うだ。
 俺の体は無意識にびくんとなってしまう。背筋にぞくぞくとくる声なんだ。
 弄りかけで放置しっぱなしにされていた股間が、その声に続きをしてくれとせがみだした。
 もう・・・どうせバレバレだよな。しょうがねえか。

「今日・・・だけだかんなっ」

 日向の言いなりにはじめてしまう。
 しばらくしていないだけに、ひとりエッチばかりだった俺にはちょっとたまらない声が促すから。
 日向の声だけだというのに、俺の股間のモノは正直に反応し始めていた。
 俺は素直にちゅばちゅばとわざと音がでるように意識しながら、電話口で指をなめる。なんか変な感
じ・・・。
 その音に、電話の向こうの日向の息遣いも荒くなってくるのが聞こえた。

「はぁ・・・松山、俺のコト、想像してる?」
 
 日向も自然に手は自分のモノに伸び、ファスナーを開けて直接指を絡めているのだろう。見えない電話
の線を介して、日向の言う通り、ヤツの姿を想像できる。

「・・・日向・・・」

 俺も再び浴衣の合わせからそろそろと手を忍び込ませると、乳首に指を伸ばした。
 普段は耳元で囁かれるみたいな日向との電話が苦手だ。
 ついつい日向との電話はさけてしまう。ほんとに用件だけ伝える手段にしか使わない。
 電話をするという行為が嫌いなのではなく、耳が弱くて自分が感じてしまうのがイヤなのだ。喋るのは
好きなんだ。だから反町との長電話は平気で、いつも日向に不審がられている。
 気付けば日向の声だけで、とうとう俺のは完全に勃起してしまっていた。全然弄ってねえのに。
 日向の言う通りに自分の指を舐めはじめたものの、自分の舌がこんなにも柔らかく熱いということにド
キドキしてしまう。
 唾液で濡れた指がめちゃくちゃいやらしい。
 いつも日向はこんなふうに感じているのか?
 そう思ったら、どうしていいかわからなくなってしまう。ため息みたいな、掠れた声が漏れてしまう。
きっと甘ったれた声なんだろう。自分ではわかんねえけど。

「はぁ・・・・・ひゅうがぁ・・・んっ」
「じゃあ濡れた指を・・・松山のキモチイイところでにもっていって?」
「えっ?・・・わ・・・わかんねぇよ・・・」

 日向が先に進ませようとする。
 してることは自慰なんだけど、自分でしたいようにやるのと違うせいか、なにをどうしていいのか全く
頭に浮かばなくなって、とにかく混乱しはじめる。
 そんな俺の状況がわかったのか、日向が優しい声で促す。

「わかんなくないだろ・・・?じゃぁ・・・俺がいつもやる順番でやってみな。いつもドコにされてる?」
「あ・・・胸・・・。はぁん!!」
「ソコ、尖ってる?赤くコリコリしちまってるんじゃねえ?」
「あぁん・・・、とんがって・・・るよぉ・・・」

 胸に伸ばした指先に、いつのまにかしっかりと主張をしていた俺の乳首があたった。いつもなら我慢して
しまう声も、こんな状況のせいか素直にでてしまう。むしろちゃんと日向に伝わってるか不安になって。
 その粒に触れただけで、日向に触って貰えたかのように体が喜びに打ち震える。

「親指と人さし指で挟んで・・・ぶるぶるして」
「はぁああ!!やぁ・・・いたぁ・・・いっ」
「痛いんじゃなくて・・・気持ちいいんだろ?」
 
 赤く充血してしまっているのか、摘むと走るこの感覚は確かに痛みだった。でも痛さの後にくるのはやっ
ぱり気持ちよさだった。
 日向は電話線を通して俺を犯しはじめる。そうしながら自分の股間のモノもぐちょぐちょと擦り上げてい
るんだろう。
 日向のはぁはぁという喘ぐような息遣いがさっきから耳元で、止まらなくなっている。

「・・・き、きもち・・イイ?・・・わ、わかんねえ・・・はぁん・・・」
「胸触りながら下も扱いて・・・もう濡れてんだろ?」
「ふあ・・・んっ、も・・・いっぱい出てるよぉ・・・」

 ベッドに横になって、枕と頬の間に携帯を挟むようにした。不安定な体勢ながら、どうにか両手が自由に
なる。言われた通り乳首を弄る指はそのままに、もう一方の手をそろそろと股間に伸ばした。
 先端にはカウパーが溢れ、濡れていた。

「俺のもすげ・・・松山の声きいて、いっぱいでてきちまってるぜ」
「ひゅうがぁ・・・」
「もっと・・・一緒に気持ちよくなろうぜ?―――松山、濡れた指で奥・・・なぞってくれ」

 奥・・・って。後ろのコト?
 股間は一人えっちで慰めるけど、後ろなんて・・・したことねえよ。
 思わず黙ってしまう。

「大丈夫、恐くねえから・・・ゆっくりほら・・・俺がなぞるみたいに」

 日向がいつもしてくれるみたいに?
 いつも・・・。アイツの先走りだったり、俺のだったりするけど湿らせた指で、奥を指の腹でほぐすんだ
よな―――。

「松山・・・して?」

 耳元で囁かれる日向の低い声も、欲情し濡れて聞こえるのが、更に俺を高みへとのぼらせていく。脚を曲
げて胸につけるようにして、蕾みを天井にさらすような格好になる。かなり無理な姿勢だが、こうでもしな
いと届きそうに無い。
 それでも日向の声を聞き逃すまいと、携帯をしっかり耳にあてた。
 意を決して、俺は初めてソコに指を伸ばした。

「んっ!!」
「回すように・・・そう、だんだん綻んでこねえか?」
「・・・あ・・・少し、開いて・・・きたっ」

 日向とのセックスで慣らされている肉体は、俺が自分で施す不馴れな愛撫にもおずおずと感じ始めていた。

「もう・・・ひくひく動き始めてるだろ?もうなぞるだけじゃ・・・足りない筈だぜ」
「ぁん!」

 日向の言う通り、俺の蕾みは淫らに閉じたり開いたりし始めていた。その様子を自らの指で感じてしまう。
いつもコレ、日向に見られてんだ。恥ずかしい・・・。
 でも、だんだんソコに堅いものが欲しくなってきてしまう。俺の指は、既に2本揃えて銜えこみ、その指
先の半分を体内に取り込んでいた。

「いいんだぜ?もっと奥まで埋め込んでも・・・。我慢できねえだろ?」

 声で俺が新たな快感を追い始めたのに気付いた日向が更に先を促す。

「・・・あっ・・・やぁっ・・・・・ん!!」

 言われるがまま、指先にくっと力を込めてみると、肉襞が自分の指を貪欲に飲み込んでいってしまう―――。
俺のナカ、こんなになってるんだ―――。いつも日向をココに―――。

「やだっ・・・どんどん・・・はいって・・・っちゃうっ!!」
「ゆっくり・・・抜いて」
「はぁあんっ・・・ぁあ!」
「一気に沈める・・・・」
「やぁ!っあああ!」

 日向の欲情した声に促されるまま、俺は言われた通りに自らの指を動かし始めた。
 自分の指なのに、日向に弄られてるみてえ―――
 そんな感覚に、ひくつく内襞がきゅうと指を締め付ける。
 自分の指が俺の内部を感じている。俺のナカってこんなんなってるんだ。いつも日向のをこんなふうに食って
るんだ・・・。
 片手は電話を持っていて、片手は自らの蕾のナカへ―――。触れていない股間から幾筋もの雫が滴たり、太股
を濡らしていくのが気持ち悪い。

「やぁっ・・・ひゅうがぁ・・・・オレっ・・・・・」
「もっと気持ちいいトコ教えてやるな・・・?松山、指・・・根元まで入れて、それから腹の方に指先折り曲げ
てみろ?」
「ああっ!!」
「ソコ・・・いつも俺がすると、松山のナカすっげえ喜んで、俺のコト噛み切ろうとするトコだぜ」
「・・・んっ・・・ああ、凄ぇよぉ・・・・っ!・・・やっ・・・ひゅう・・・がぁ・・!もぉ・・・」
 
 日向に教えられたその場所を、俺は夢中になって擦った。
 あまりの快感に、体は逃げてしまいそうになるのに、電流の走るようなその感覚をまた欲してしまい、触る事
をやめられない。もう指は付け根までしっかりと入っている。
 目の前が真っ白になりかけている。

「ホントはもっと・・・奥擦ってやりてぇけど」
「いうなよぉ・・・ひゅうが・・が・・・欲しくな・・・っちゃう!」

 すげえ気持ちいいんだけど、やっぱり足りねえ。こんな指なんかじゃ。日向の熱い肉棒でいつものように突か
れたい。
 日向のを埋められているつもりで、自分の指を締め上げた。

「ああっ・・・ひゅうがぁ!」
「バカやろ、忘れようとしてたのによ・・・・くっ、俺も・・・そろそろ・・・」
「んぁ・・ああ―――!」

 蓄積されていた欲望の証しが俺自身から、熱い迸りとなって勢いよく飛び出した。受けとめる手が塞がってし
まっているため、その飛沫は、ベッドの上にまき散らされてしまった。

「ふぁ・・・っ、日向ぁ・・・まだ・・・でちゃうっ・・・んっ・・んっ」

 脚を引きつらせた俺の内腿に、残った液体が滴り落ちていく。数回、びくびくと震えがきた後、ようやくおさ
まった。脱力感。

「・・・はぁ・・・っ・・・、はぁ・・・ああ!」

 電話の向こうでも、日向が大きく唸り達した気配が伝わってきた。
 全身を弛緩させ、俺は日向のなかなか納まらない呼吸を聞いていた。やっぱり耳がくすぐってえ。でもそれが
甘く、余韻の残った体に心地よい。

「・・・すごかったな。俺も結構でちまった」
「ん」
「ホントはお前のナカに入れんの楽しみにしてたけど、止まらなくなっちまった・・・。大事な松山のためのアレ
なのに勿体ねえな」
「アホかお前は。何いってんだよバカ。日向、いつでもいっぱい溜まってんじゃねえか。どういう体だか知らね
えけどよ」

 全く何て馬鹿馬鹿しい会話だろう。
 でも、情事の後のこういう会話って実は嫌いじゃ無い。
 燃え上がり頂点まで達した体は、ほどよい疲労感に包まれていた。はだけたままの浴衣はもう、単に羽織ってる
だけだった。でもわざわざ着直す気もなくなってしまった。
 このまま寝ちまってもいいよな。シャワーも浴び直した方がいいのかもしれねえけど。朝でいっか・・・。
 唐突に睡魔が襲ってくる。

「・・・どうだ眠れそうか?」
「え?」
「眠れなかったんだろ」
「・・・そうだけど・・・」

 電話の向こうで日向も欠伸。
 なんだ日向も眠たかったのか。俺もこれでぐっすり朝まで眠れそうだ。
 きっと目覚めたら今は風でがたがた鳴っている窓ガラスから、さんさんと朝日が差し込むんだろう。
 
「・・・あ、もう日付け変わりそう」
「ごめんな、こんな誕生日プレゼントで」
「これがプレゼントかよ?ひでー」
「俺も楽しんだのにな」
「そーだ!」

 日向が笑っていた。なんだか幸せそう。
 俺もくすくす笑う。ま、どこでも俺達双方向ちゃんと繋がってるってこと、再確認できたのはよかったかなな
んて、少し思った。

「明日は晴れるといいな」
「晴れだよ。だって俺帰んなきゃ」
「じゃ、寝るか」
「ああ」

 互いに「おやすみ」と小さな声で言って、どちらからともなく電話を切った。
 日向はココにいないけど、日向の存在をしっかりと感じながら俺は眠りの淵へと落ちていった。






                           おしまい



 03松コミにて出したコピー本からの再録です;;スイマセン;;
 まあ、お持ちの方少ないと思いますので・・・。
 すっかり文章の書き方を忘れておりますので、しばらくは昔の遺産を食いつぶすことにしました(爆)。
 
 しかし、読み返すと相変わらずバカップルぶりが・・・。ウチの松小次はいつもこんな感じです。
 
(04.10.03)