日向が若島津の方を向く。そして、その視線を辿った先に松山がいた。
こられないという話だったが、予定が終わって駆け付けたのだろう。
「あの二人と松山って、面識ありましたっけ?」
「いや・・・・・ない」
あってたまるか。
あんな、キャリアが長いだけで、”そこらへんに掃いて捨てる程いる”レベルのサッカー選手なんかと!
「・・・・いるんだー。日向さんの恋人に手をだそうなんていうウルトラ馬鹿が」
感心したような若島津の台詞が無言劇のはじまりだった。
戸惑いながらも、その二人についていこうとしていた松山のすぐ後ろに日向がたつ。
片手をポケットにつっこんで。
頭の中身と同じ軽いノリだった二人組のおしゃべりがぴたりと止む。
松山を振仰いで何かを言おうとする松山の肩に、日向が手を置く。松山が口を噤む。
そして、日向は二人組をじっと見つめながら、深く、ゆっくりと息を吐いた。
・・・・・・・ものの3分もかからなかった。
「ま、ああいうヤツらじゃ、あの人の相手は無理ってもんだよなぁ」
こそこそ退散していく二人組を同情の目で追いながら、若島津はくすくす笑った。
控え室の椅子に松山を座らせると、日向は早速お説教を開始した。
さっきの二人組は、自分達は古い時代からプロとしてやってきているから、いろいろ話してやるとかうまいことをいって松山を連れ出そうとしていたらしい。
「だいたいお前は無防備すぎんだよ、ばか!」
「でも、いろいろ教えてくれるって。俺まだプロとしては新人だし・・・」
「お前、自分の価値わかってんのか?サッカーだけだったらお前のほうがよっぽどキャリアあるだろうが!だいたい、あんな不良Jリーガーが、何教えてくれるっていうんだ・・・」
松山がむっとした顔で日向を見上げた。
「どうして、そんなに怒られなきゃいけないんだよ!俺がなんかしたっていうのか?え?」
うるさい!と日向が松山を睨み付ける。
「いいか、コドモじゃない、んなら、あんな見えすいた誘い文句にひっかかって、ホイホイついていくようなことをすんじゃねえ!」
俺・・・と、固い声で松山がいった。
「・・・俺、悪いことなんもしてねえだろ。日向、生活指導の先生みたいだ」
一瞬の沈黙。
「じゃあ、スキにしろ!!!」
大声でいって、日向はくるっとむきをかえ、窓のところに腕組みをして立った。
一部始終をドアにもたれて見学していた若島津が小さく吹き出して、それに気付いた松山がふりむく。
若島津はニッと笑い、おいでおいでと手招きをした。
松山は日向の後ろ姿に目をやってから、静かに立ち上がりドアへと向かった。
松山が再び、控え室に入った時には、日向は椅子のところへ移動していた。
相変わらず、こちらに背を向けてテーブルに両足を載せている。
「ひゅうが・・・・」
あのね、松山。
いくら大人になってもさ、誰かを本当に好きになっちゃったら、余裕ばっかしじゃいられなくなるんだよ。わかるだろ?
つまり、日向さんも同じだってこと。
だから、アレは怒ってるんじゃなくて、すねちゃってるんだよ。ホントだって!
信じない?
じゃあさ、松山が拗ねた時、あの人どうやって御機嫌直してくれる?
それやってみたら。
大丈夫、きっとうまくいくから。日向さんとのつき合いの長い俺が保証するって。ね。
「日向。・・・・キスしたら機嫌なおるか?」
松山がきく。
「その手にはいっさいのらねえ!!」
日向が答える。
「そんなコドモ騙しで・・・・」
イライラした口調でいいながら体の向きをかえた日向の唇に、ふわりと松山の唇が重ねられた。
ゆっくりと、松山が顔を離し、何かを問いかけるように日向をみつめる。
「・・・・・・・治った」
大きな瞳から視線を逸らし、実に不本意そうに日向がぼそっといった。
控え室にいこうとしているスタッフに、若島津が爽やかな笑顔で声をかけた。
「今さ、日向さんが重要な交渉やってるから、しばらくは立ち入り禁止だよ」
はははは・・・・。青いっちゅーか、なんつーか。
ちょっと寒い話っすね。ラブラブなのかもわからん。無理して書くもんじゃないな(恥)。
なんか設定もあやふやだし。松山がなんかおこちゃま。でも日向さんラブらしい。
その日向さん結構大人ぶってるし。日向さんイタリアいってないけど、みんなプロだし。もういいやどうでも。
なんか松山がみんなに愛されてる感じがでればよいなーと思って。若島津には申し訳ないキャスティングですが。私、結構好きなんだけどな。
健松もいずれやってみたいですね(笑)。めざせ総受け(爆)!
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